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「選手の財産になる」=日本柔道選手団=慰霊碑に献花

2006年5月13日(土)

 日伯柔道界の歴史の中で、初の試みとなる両国柔道家の交流、強化練習を行うため今月八日から来伯している日本柔道選手団(斉藤仁代表監督)は、十一日、サンパウロ市内の「南米の講道館」での練習を終えた後、イビラプエラ公園内の開拓先没者慰霊碑を訪問した。
 柔道着から私服に着替えて登場した日本柔道選手団は、斉藤監督の慰霊碑献花の後、過去帳に手をあわせた。
 「今日の慰霊碑訪問は、選手達にとって今後、財産になるでしょう」、選手団の持田達人コーチはそう感想を述べた。先月日本武道館で行われた全日本柔道選手権大会の無差別級を大会最年少記録で優勝した石井慧選手(19、国士舘大学)も「勉強になります」と語った。
 今回のブラジル遠征について、十日の練習後に行われたインタビューで斉藤監督は「W杯で日本がブラジルに勝つ可能性と、柔道でブラジルチームが日本に勝つ可能性は、どちらが高いと思うか」という質問に、「柔道の方が高いですよ。ブラジルの柔道の選手はものすごくレベルが高い」と印象を語った。
 また、日本柔道とブラジル柔道の違いを聞かれて「ヨーロッパの選手はなかなか組ませたりせず、片手スタイルです。一方ブラジルは日本と同じようにしっかり組んできます。ブラジルの選手は柔道でもフットワークがいい。足技も良く、バランス感覚もいいですね」と説明。
 「(日本柔道は)金メダルを取って当たり前の世界。日々金メダルを取るために努力し、苦しんでいる。だから試合が終わるまで、常に頭は金メダルしかありません。そう思うことが我々の誇りです」と話していた。
 選手団は十二日にパラナ州マリンガへ出発、十三日午前九時から同地でブラジル代表との記念国際試合ものぞむ。その後はリオで十九日まで練習した後、二十日に帰国する。

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