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パラナで100周年事業開始=マリンガ=盛大に日本庭園の定礎式=二〇〇八年の完成目指して

2006年5月17日(水)

 北パラナのマリンガ市で十日、移民百周年に向けて建設される日本庭園「プラッサ・ド・ジャポン」の定礎式が行われた。日伯の自然美を融合させる大胆な試みだ。十三日に開催された柔道の日伯選手団親善試合と同様、同市創立五十九周年記念事業の一環。シルビオ・バーロス市長が中心になって進め、マリンガ文化体育協会(鈴木エドワルド会長)ら地元団体、姉妹都市の加古川市などが〇八年六月までに協力して建設していく予定だ。
 定礎式当日にはバーロス市長をはじめ、リカルド・バーロス連邦下議、西森パラナ日伯連合会長、萩生田浩次クリチーバ総領事、上野アントニオ・パラナ日伯商工会議所会頭ら約一千人が出席し、和太鼓もにぎやかに披露された。
 記念プレートをつけて定礎されたのは、姉妹都市の加古川市近郊から採れた火山岩。石の横に設置された透明なアクリル箱には、日本庭園プロジェクトの設計図、当日付けマリンガ新聞、運営団体の定款など。
 日本庭園建設のアイデアは昨年生まれた。今回、市制五十九周年を記念して定礎式をし、〇八年六月二十二日のパラナ百周年記念祭典に合わせて完成させる予定。その竣工式に向けて皇室を招待している。

   着々と進む2大計画
   文化センターや体育館も

 十万平米の広大な面積をもつ同庭園。その内にはレストラン、ギャラリー、茶室、東屋などを作るほか、文化センター、多目的体育館なども建設される計画だ。
 文化センターの延べ床面積は六千平米で、二千人収容の大講堂がある。踊り、歌、民芸品教室、いけばな教室、折り紙、日本語教室などに使う。体育館は南伯柔道の拠点となる。
 パラナ日伯文化連合会の西森ルイス弘志会長(州議)は「日本移民百周年のために、バーロス市長が先頭に立ってやってくれている」とブラジル社会側からの貢献に感謝する。
 マリンガ市役所には日本語でも対応する富居クリスチーナさんがプロジェクト・マネージャーとして働く。市役所レベルで率先して百周年を祝い、専門の職員まで雇う積極的な対応が行われるのは、全伯的にも珍しい。
 日本庭園の運営および維持管理には、ボランティア有志が集まって「パルケ・ド・ジャポン」というOSCIP(公益民間団体)が組織されている。
 この土地はブラジル人企業家が市長の主旨に賛同して寄付したもの。JICAの協力で、来月には日本庭園の専門家を派遣してもらい、さっそく造園をはじめる。
 昨年、慶祝使節団が来伯したばかりの姉妹都市・兵庫県加古川市は文化センターの設計を担当、「日本的で、すばらしい建物になりますよ」と西森会長は協力を喜ぶ。
 パラナ州ではこの日本庭園に加え、ロンドリーナ市に連邦技術大学を誘致して日本文化・先端技術センターを作る計画が進められており、二大プロジェクトは着々と進行している。

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