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首都日系も100年祭事業推進へ=本格的な記念誌を=文化スペース建築も=08年は入植50周年

2006年6月1日(木)

 日本大使館とブラジル連邦政府のお膝元ブラジリア。二〇〇八年の移民百周年は入植五十周年に重なり、節目の年に向かって日系コロニアの熱が増している。ブラジル中西部日伯協会連合会(秋本満敏会長)が主体になって〇四年に、ブラジリア日本移民百周年記念委員会を設立した。記念誌の発刊を決議、編纂作業をスタートさせている。それに合わせて、会館を持たない同連合会は、文化スペースの建築も検討中だ。
 記念委員会は連合会会長や各日系団体会長ら七人で構成され、百年祭の式典などについて討議している。
 秋本会長によれば、遷都に当たって、首都に供給する野菜栽培を目的に、日本人の入植が始まった。これまでまとまった記念誌をつくったことがない。
 「四十周年のときに、有志で記念誌を発刊する計画があったけど、実現できなかった。この機会にぜひ、記念誌を世に送り出したい」と力を込めて語る。百周年記念委員会の下に、専門の委員会が立ち上がった。
 七百ページ前後になる見込み。ブラジル日系移民史(日伯両語)、入植五十年史(同上)や日系団体の歴史などを紹介する。
 日系紳士録(ポ語のみ)を盛り込んで広告料を集め、出版費用に充てる考え。地方回りをするなど、取材活動が始まっている。
 刊行予定数は三千冊。千冊は関係機関や団体に、五百冊は紳士録の協力者、五百冊は汎ブラジリアの公立小中学校に無料で配布する。
 秋本会長は「ヤマグチ・ミチオさんがリーダーになって、取材を始めていた。九十歳代の半ばで遠隔地までいけません。連合会が責任を持ってすると会議で決めた」と意欲的だ。
 同連合会は〇三年の創立。タグアチンガ文協、インクラ農村文化協会、アルカギ農村文化協会、Nikkey・DF、ヴァルジェン・ボニータが力を結集した。連合会自体の会館を保持していないため、イベントや会議は日系団体の持ち回りで実施されている。
 文化事業を実施するスペースの設置も検討中。ブラジリア日本語モデル校の隣接地が候補地になっている。ブラジリア日伯学生寮運営協会に協力を仰いで、
 秋本会長は「プラノ・ピロット内で行事をする時は、会場を借りています。日本文化を紹介していけるような、簡単な場所がほしい」と語っている。

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