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白鴎大=ミランダ投手プロ指名=ドラフト会議=ブラジル人留学生では3人目=育成枠でヤクルトへ

ニッケイ新聞 2008年10月31日付け

 三十日午後三時(日本時間)から行われたプロ野球ドラフト会議二〇〇八で、白鴎大学に在籍しているブラジル人留学生のラファエル・ミランダ・フェルナンデス投手(サンパウロ州タトゥイ市出身、22)が、東京ヤクルトスワローズから育成選手として指名を受けた。ブラジル人留学生としては、〇二年に指名を受けた日章学園の瀬間仲ノルベルト内野手(中日七巡目)、片山文男投手(ヤクルト六巡目)両選手に続いて、三人目の指名になった。
 ブラジル野球ソフトボール連盟の沢里オリビオ副会長によると、ミランダ投手は昔から球が速く、十八歳までイビウーナのヤクルトアカデミーに在籍。在籍中はニッポン・ブルージェイズで投手として活躍し三度の全伯大会優勝に貢献した。
 ブラジルと交流のある白鴎大学に入学したのは二〇〇五年。スポーツ報知の報道によれば、ミランダ投手は最速百五十一キロの速球とスライダーが武器だ。
 大学時代は制球難で、四年間でわずか二勝と成績が振るわなかった。今秋の関甲新大学リーグ戦では二試合に先発したが、五回三分の一で打者三十三人に対し被安打九、八四死球、防御率一一・八一と散々だったが、同紙によれば、ヤクルトのスカウトが「あの速球は魅力がある。粗削りだが将来性を感じる」と伸びしろに期待し、日本で四年間過ごしていることで日本人枠として入団できることなどもあって指名に至ったようだ。
 育成選手は、プロ野球において育成を目的とした選手の契約制度。〇五年より実施され、各球団支配下選手六十五人以上(最大七十人)保有した上で、ドラフト会議の選外となった選手を指名できる。対象選手は育成ドラフト指名選手と自由契約選手で、オープン戦と二軍の試合にしか出場できず、背番号は三桁。
 育成選手として契約し、支配下選手に登録される選手も年々増えてきていて、巨人の中継ぎ投手としてセ・リーグ二連覇に貢献した山口鉄也投手、隠善智也外野手など、一軍でも活躍する選手も出てきた。
 沢里副会長は「ブラジルからプロ目的で日本に行く選手が多い中で、ドラフトに選ばれたことはめでたいこと。もっとがんばってもらって一軍に入り、後に続く人たちに夢を与えてほしい」とエールを送った。

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