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福祉推進に地道な寄与=野村さんに旭日双光章

2006年6月13日(火)

 〇六年度の春の叙勲で旭日双光賞を受けた野村次郎さん(82)への叙勲伝達式が、八日午後三時からモルンビー区のサンパウロ総領事公邸で開かれた。
 家族やサンパウロ日伯援護協会役員、モジ・ダス・クルーゼス市の関係者が見守る中、西林万寿夫在聖総領事から勲章と勲記が伝達された。
 野村氏は五五年に家族と共にブラジルへ移住。カフェランジャ市の平野植民地に入植後、モジ・ダス・クルーゼス市に移り、市営市場で野菜果樹の小売、仲買業を営むかたわら、同市の文化協会の福祉部門を担当。地元の福祉事業団体や同時期会員になったサンパウロ援護協会傘下の施設発展に尽力した。
 八八年から十三年間、精神障害者の社会復帰センター「やすらぎホーム」の経営委員を経た後、現在は特別養護老人ホーム「あけぼのホーム」の経営委員長として現場の指揮をとると同時に、サンパウロ援護協会の副会長職。ブラジル群馬県人会会長も歴任し、長年にわたり日系社会の団結、福祉向上、発展に貢献した。その功績が認められ、今回の受章となった。
 西林総領事はあいさつで野村さんとの最初の出会いを振り返りながら、同氏が日系社会の発展に果した役割を強調。「これからも豊かな体験と知恵を生かしつ、健康に気をつけて引き続き努力をして欲しい。〇八年の移民百周年祭へも共に尽力して頂きたい」と敬意を表した。
 これに対し野村さんは「私には身の余るものです。コロニアの方々のご協力、ご援助のおかげです。心からコロニアにありがとうと言いたい」と謝辞を述べた。続いて酒井清一援護協会会長が「野村さんは本当にみんなから信頼され、喜ばれる方です」と同氏の人柄を称え、「乾杯、ビーバ」の音頭をとった。記念撮影が行われ、一同和やかに歓談した。
 家族代表で出席した長女のタミエさんは「パパイは誰にでも優しくいい人です。いつまでも元気に今の活動を続けて欲しいです」と祝福の気持ちを語った。 「野村さんのように対極を見据え、柔軟に物事を考えることができる人材がこれからの日系社会には必要でしょう」―出席者からは同氏の人柄を称える声がよく聞かれた。

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