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日本の伝統音楽を満喫=大盛況の長唄サンパウロ市公演=文協

2006年6月14日(水)

 日本国内外で活躍する長唄演奏家、藤間日本舞踊学校、花柳金龍会、和の会で構成される『長唄音楽と舞踊の会』が十一日午後三時から、ブラジル日本文化協会大講堂で公演した。会場を埋めた約千人が歌舞伎と共に発展した日本の伝統音楽、長唄の魅力に魅せられた。
 舞台に先立ち、上原幸啓文協会長や今回の公演に協力した国際交流基金サンパウロ日本文化センターの西田和正所長があいさつ。
 ブラジル唯一の長唄愛好会である「サンパウロ和の会」が『連獅子』を演奏。続いて、『都風流』では囃子の立方の藤間豊生さんが華麗な舞を見せ、会場からはため息が漏れた。
 九六年からサンパウロで長唄、三味線を指導した杉浦和子さんは、「今までお世話になったお礼」と今回のイベントのコーディネーター役を務めたきっかけを説明、関係者から花束の贈呈を受けた。
 楽器の説明では、長唄で演奏される囃子を構成する横笛(能管)、小鼓、大鼓、太鼓を紹介。大太鼓は独特のバチ捌きで自然現象を表現、来場者はそれぞれの魅力を満喫していた。
 花柳金龍会の花柳龍伯さんによる『藤娘』、藤間日本舞踊学校の藤間芳之丞校長自ら舞台に立った『鶴亀』、歌舞伎劇で有名な『勧進帳』、『元禄花見踊』などが披露され、艶やかな舞と囃子が表現する華やかな世界に会場は包まれた。
 初めて長唄の演奏を聞いたという四十代の男性は、「すごい迫力で思わず聞き入った。こういう『和』の世界をもっとブラジルに伝えてほしい」と感想を話していた。
 同公演はポルト・アレグレ(十五日)、ブエノス・アイレス(十七日)、モジ・ダス・クルーゼス(十八日)でも行われる。

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