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「憩の園在日協力会」10周年=吉岡会長ら訪日して感謝=会員増えて今200人以上=理解されるきめ細かい介護

2006年6月15日(木)

 社会福祉法人救済会(吉岡黎明会長)を日本から支えている「憩の園在日協力会」(賀陽治憲会長)の設立十周年記念懇親会が、先月二十七日、東京都内の幼きイエス会(教会)で開催された。同懇親会には、ブラジルから吉岡会長と大浦文雄常任理事が参加。「この十年間の援助に対するお礼」の意味をこめて、吉岡会長が協力会に感謝状を贈った。
 懇親会の席上、憩の園で過ごすお年寄りの日常生活やボランティア活動の様子を収録したビデオ(二巻、五十分)を放映したところ、協力会会員から「憩の園でのきめ細やかな介護がよくわかる」「建物中心の日本のホームと違い、自然の中にあるのがいい」といった感心の声が聞かれたという。
 懇親会は、協力会会長代理の賀陽朝子夫人、事務局長の渋谷まさみさん、協力企業のキリンビール(株)や日本エンゼル(株)の代表ら、総勢四十三人が集い、終始打ち解けた雰囲気で行われた。
 同協力会は、九六年四月二十七日に創立された。渋谷さんが駐在員夫人だったころ、九年間救済会の活動に携わり、帰国後も活動を続けたいと発案。田付景一元大使夫妻の協力も得て、在日本協力委員会を設立した。
 途中で名称を在日協力会と変更。停滞することなく会員を増やしてきた。現在個人・団体合わせて二百人以上の協力者がいる。多くを福祉関係者やカトリック教徒が占める中、少数ではあるが、デカセギの会員もいる。
 近年は百万円ほどのブラジルへの送金と、おむつなどの介護用品の送付を毎年行っている。ラテンアメリカ協会が主催するバザーに出店し、救済会の広報活動の一端も担う。
 現在、協力会が渋谷さんの自宅を事務所としているため、(財)日伯経済文化協会の所有している建物を集会場所として使用するという話がでている。渋谷さんの負担を減らし、頼りきりでない状況を整えていく構えだ。
 大浦さんは「憩の園では介護の必要な入居者の割合が増えてきて、これからますます介護用品が必要になっていく。渋谷さんを筆頭に、協力会の存在は本当にありがたい」とその活動を称え、「ブラジルでは二、三世が多くなり、一世の頃よりも(救済に対しての)協力や関心が薄れてきたように思う。日本での活動に負けないよう、ブラジルでも協力の輪を広げていきたい」と抱負を語った。

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