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コロニア芸能祭盛上がる=若い層活躍、感動的な舞台を=40団体250人、100演目余

2006年6月28日(水)

 日系コロニアの一大伝統行事の一つ、第四十一回コロニア芸能祭(ブラジル日本文化協会主催、井上久弘実行委員長)が二十四、五の両日、文協大講堂で開催された。約千七百人を超える人が会場に駆けつけ、年々高まる出演者の腕前を堪能。日本の伝統芸能を楽しんだ。
 同芸能祭にはコロニアを代表する約四十団体が参加。出場者は二百五十人を数えた。歌謡、民謡、舞踊、太鼓など百以上の演目が二日間にわたって披露された。開演に先立ち、井上さんが「芸能は人々の生活に彩りとゆとりを与えてくれます。日頃の練習の成果を発揮してください」と挨拶。軽快な司会が会場の雰囲気を盛り上げた。二十四日午後一時ごろからは中平マリコさんが登場。会場は人で埋まり大盛況だった。
 剣舞を二十年間続けているという非日系のマルセロ・ハアジさんは「音楽、動き、その伝統。どれをとっても感情をこめた剣舞の表現方法はすばらしい。今回はうまく舞えたと思う」と出場の感激を嬉しそうに語った。
 また「ベテランの出演者に交じって、一生懸命に日本の民謡を歌い上げ、三味線や太鼓の音色を情感豊かに響かせる若者の姿がとても感動的でした」と井上さん。太鼓やよさこいソーランの人気とともに、今回は以前より若手の出場者が増えた。一世、二世の入場者も、日本文化の継承者の姿に大きな拍手を送って喜んだ。
 会場を訪れた八十代の女性は「若い人の活躍は嬉しい」と語り、「十歳まで過ごした日本の記憶を思い出しました。芸能祭がずっと続いていくといいですね」と笑顔で話した。
 「我々は文化継承の橋渡しの役割があります。そのためにも今後もできるところまで芸能祭を続けていきたい」と井上さんは今後の抱負を語った。
 なお昨年までは入場料を徴収していたが、今年は「古着一枚の寄付」へと変更になった。集まった衣類はサンパウロ市の福祉団体などへ寄付される予定。

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