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皆さんの積み重ねが日伯方式に=デジタルTV=竹中総務相が来聖=日系社会の貢献を強調

2006年7月1日(土)

 地上デジタル放送日本方式採用の調印式に出席するため二十九日に来伯した竹中平蔵総務大臣が、同日夜にサンパウロを訪れた。滞在先のホテルで出身の和歌山県人会、県連など日系団体関係者と懇談。その後日系マスコミの取材に応じた大臣は、このたびの来伯を振り返り「ブラジル日系社会のこれまでの積み重ねが、デジタルTVの日伯方式を作る今回の調印につながった」と感想を述べた。
 ブラジリアでの調印式終了後、サンパウロを訪れた大臣は、滞在先のホテルで日系団体関係者と十五分ほど懇談。ブラジル和歌山県人会の木原好規会長、谷口副会長、松尾治県連会長のほか、両親が和歌山出身の下本八郎元サンパウロ州議が同席した。
 懇談は主に、地元和歌山県に関する話が中心。木原会長は母県とのつながりを説明、「木村良樹知事にお世話になっていることを伝えてほしい」と伝えたそうだ。「大臣らしくなく、気さくな人でした」と木原会長。松尾会長も「精力的に動く人だと感じました」と話していた。席上、大臣からは、ルーラ大統領に「日本人は言ったことを必ず守る」と伝えた事など、調印式のエピソードも紹介されたという。
 竹中大臣は二十九日朝にサンパウロに到着後、調印式出席のためブラジリアへ。三十日朝には帰国の途につくという強行日程だった。調印式では、小泉純一郎総理大臣からの親書をルーラ大統領に手渡した。
 「二年前にブラジルを訪れた小泉首相から『強い感銘を受けた』と聞いていた。(訪問を)楽しみにしてきた」と初来伯の感想を話した。
 さらに、「日系人が長い間ブラジルでがんばり、日本人の仕事を証明してきた。皆さんの積み重ねが今回、デジタルTVの日伯方式を作ることにつながっていると思う」とブラジル日系社会の存在を強調した。
 現在の日伯関係については、ブラジルの日系社会、在日ブラジル人社会といったベースはあるが、地理的な遠さから「協力はまだ十分ではない。まだ発展することが可能だと思う」と発言。二年後のブラジル日本移民百周年についても、「日伯両国の関係が一段と活発化するきっかけになる」との考えを示した。
 質問が在日ブラジル人をめぐる諸問題に及ぶと、大臣は「両国の人的交流を活発にできる環境を作ることは政府の役割」と述べ、現在内閣官房が中心になって検討を進めていることを説明した。

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