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コラム 樹海

 小泉首相はブッシュ大統領と真に仲がよろしい。恐らく―「ロン」「ヤス」と呼び合った中曽根元首相と故レーガン大統領の上を行くような仲良しと見たい。そんな首相が9月の退陣を前にしてアメリアを公式訪問し、ホワイト・ハウスで話し合い「新世紀の同盟」という共同文書を発表した。文書は「歴史上最も成熟した二国間関係」とし「自由・人権・民主主義」を掲げ更なる協調を誓い合う▼牛肉や自動車など日本とアメリカには重い課題も多い。だが―政治と外交はうまく進んでいる。首相の外交については、靖国参拝で中国と韓国にそっぽを向かれてしまったの批判がいっぱいあるけれども、日本外交の基本は「日米友好」であり、この基盤を強化した成果は評価したい。イラクへの陸自派遣やインド洋へ自衛艦を派遣しての支援活動もある。一国平和主義から脱した首相の勇断にはもっと声援が欲しい▼ブッシュ大統領は、めぐみさんの母である横田早紀江さんと会い拉致事件にも深い関心を寄せている。首相との会談が終ってから「(早紀江さんとの面会で)私は涙を抑えるのに苦労した」と語り、北朝鮮を厳しく批判したことも忘れまい。無論、両首脳は北朝鮮のテポドン2やイランの核についても真剣に語り合い「許し難い」の意見で一致している▼それもこれも―小泉内閣が5年余の長期政権だったことが大きいような気がする。日本には1内閣1事業の変な用語があるが、やはり政権はある程度の長さが必要ではないか。そうでないと、小泉・ブッシュの友情は生まれ難いし、これを好機とし旧弊の見直しがあってもいい。   (遯)

06/07/01

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