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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2014年1月29日

 「なんて〃盛大〃なフェスタだ!」。コラム子が写真を撮っている横を、そう吐き捨てるように言いながらブラジル人男性が通り過ぎていった。サンパウロ市誕生記念日の25日夜、セントロのレプブリカ公園近くの連邦貯蓄銀行やブラジル銀行、マクドナルドなどがブラック・ブロック(BB)に襲われた。翌朝その様子を撮影していた時のことだ▼BBとは欧米で始まった抗議スタイルで、アナーキズム(反権力主義)、反グローバリズム、反資本主義を標榜し、覆面を被って暴力的抗議行動をするのが特徴だ。10月以降なりを潜めていたが、25日に復活の狼煙を挙げた▼同夜公園では盛大な音楽イベントが行われており、BBはそこに乱入して騒乱状態にしようとした。だが逆に来場者から袋叩きにされ、会場警備員に救出されたとエスタード紙26日付けにあった。BBのやり方は明らかに一般大衆の共感を呼んでおらず、孤立した活動であることを暗示する事件だ。下から湧き上がるように盛り上がったジレッタス・ジャーなどの80年代の抗議運動とはタイプが異なる。ブラジル的でない、どこか突然変異風の抗議スタイルだ▼昨年11月頃、欧州の某団体から当地BBに活動資金が送られ、サンパウロ州奥地に作られた拠点で破壊活動の訓練を受けているとの報道もあった。それが本当なら、中東、東欧の騒乱と同じく、背景には世界覇権争いに絡む勢力が暗躍している可能性すらある。皮肉なことに、反グローバリズムを掲げているはずの運動が、グローバル時代の〃申し子〃そのもののようだ。慎重に対処しないとW杯は悪評を世界にばら撒くだけのイベントになりかねない。(深)

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