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日本祭りで新顔デビュー=メジャー歌手=磯部さゆり

2006年8月5日付け

 八年目の南米公演をした井上祐見を筆頭に、中平マリコ、泉堅ら次々に日本から歌手がやってくるようなったが、今回の県連主催フェスチバル・ド・ジャポン(日本祭り)では、さらに新顔がコロニアにデビューした。
 「感激しました!」。キングレコードから有名歌手・鏡五郎とのデュエット曲「会津街道ふたり旅」を昨年発売し、念願のメジャーデビューを果たした演歌歌手の磯部さゆり(25、福島県)=東京在住=は、興奮気味にそう感想を語った。
 日本祭り最終日の七月二十三日午後四時過ぎ、「春夏秋冬」「屋形船」の二曲を飛び入りで披露した。磯辺は「最高の土産になりました」と喜ぶ。
 実は、今回が生まれて初めての一人旅。いきなりブラジルまで来た。二十日に来伯し、その足で三和学園のサンバ教室へ。「本物のサンバに触れられてよかった」。そのあとイグアスの滝に行ったが水量が少なく「迫力がなかった」。
 ガルボン街のCDレンタル店HAIKAIの棚に自分のCDがあるのを見つけ、「地球の反対側にもあった」と心底驚いた。
 福島県の実家はレストハウス「磯舟」。三歳の時から店のカウンターで客相手に歌ったという。中学生の時に日本コロンビアレコードにスカウトされ、高校から東京生活。レッスンを受けつつ、青山学院大学文学部も卒業したが一路プロ歌手を目指す。師と仰ぐ鏡五郎の前歌を務め、ついに昨年のCDでメジャーデビューを果たした。
 鏡五郎の妻らが三年前、ブラジルを訪れた際、花柳竜千多さんの世話になったという。その関係から「ブラジルはよかった」という話を師匠から聞き、今回訪れた。「お会いできてよかった」と磯部はいう。
 TV東京のドラマ「愛と女のミステリー」にも出演、女優としても歩み始めた。「来年一月にまた来たい」と期待に胸を膨らます。七月二十四日晩、足早に帰路についた。

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