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帰伯逃亡デカセギ問題解決に向け=伯日比較法学会=司法共助協定原案を討議=9月に浜松でセミナー開催

ニッケイ新聞 2006年8月15日付け

 帰伯逃亡デカセギ問題を解決するため、伯日比較法学会(渡部和夫理事長)は十二日午前、聖市セントロのUSP法学部講堂で専門委員会を開き、日本でブラジル人が起こした犯罪をブラジルで裁判にかける(逆も可)代理処罰を迅速化する司法共助協定の原案を検討した。
 叩き台にしたのは今年三月に発効したばかりの、韓伯間の「刑法に関する司法共助協定」(Decreto No 5.721)だ。〇二年十二月にブラジリアで署名され、〇五年七月には連邦議会でも承認済みのため、これを元にすれば伯国側での認可は進みやすい。
 USP法学部の刑法権威、アダ・ペレグリネ・グリノヴェル教授が委員長となり、日伯用に書きかえた叩き台が示され、活発な討論によって修正が加えられた。
 主要な変更点は、お互いの領土内で共同捜査をできるようにすること。また、日本の警察が作成した証拠書類をブラジルに送る際、ただでさえポ語翻訳費用がかかるのに加え、ブラジル総領事館の認証費用が膨大なものになる問題が提議され、「領事館費用の免除」が盛り込まれた。
 さらに、裁判所の呼び出し状(Carta Rogatoria)を相手国に送達する場合、双方の外務省・法務省など関係省庁を経由するため、書類が往復するのに一年以上かかる場合がある。交通事故などの時効の短い案件に関しては特に迅速化が求められており、今回その簡素化も謳われた。
 渡部理事長が九月に訪日する時、今回の法律原案を依頼者である静岡県浜松市の北脇保之市長に手渡す。九月二十四日にはこの件に関する国際法セミナーが同市で予定されており、渡部理事長らも出席して、その場でも討議する。
 ブラジル側での検討を終えた渡部理事長は「後は日本側専門家による検討が待たれるところ」と語り、「これが締結されればだいぶ早くなるはず」と胸をなでおろす。「実際に裁判を迅速化することも大事だが、ブラジルに逃げてきてもダメだという認識が(在日ブラジル人の間で)広がることがもっと重要だ」と期待している。
 出席したのはグリノヴェル委員長以下、サンパウロ州検事正ユリカ・タニオ・オクムラ氏、アントニオ・マガリャンエス・ゴメス・フィーリョUSP法学部教授(元同州検事正)、伯国外務省聖市事務所のジャジエル・フェレイラ・デ・オリベイラ大使、渡部和夫理事長(元同州高等裁判事)、大原毅(弁護士)、二宮正人(国外就労者情報援護センター理事長、弁護士)ら七人。

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