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「楽しい」「老化防止にいい」定年後始める麻雀=いま、静かなブーム?=なぎさ会〃女性上位〃!

2006年9月14日付け

 「ジャラジャラ・・・」――。牌を混ぜる音が開場に響く。今年もなぎさ会(伝田英二会長)恒例の麻雀大会が三日、サンパウロ市ジャバクアラ区の同会館で開催され、終日賑やかにゲームがおこなわれた。参加者の多くは、定年後に麻雀を始めた人がほとんど。博打のイメージが強かった麻雀は現在、「手と頭をフル回転するため老化防止にもいい」と人気を集めているという。
 第六回の今回は四十四人が参加。定年退職後の六十代から七十代の参加者が中心で、二、三世が七割以上を占める。男性より女性の参加が目立つ。
 大会は十一台の台を並べて、半荘形式で五回ゲームをおこなった。勝利数が一番多い人の中で、合計総合得点がもっとも高い人が優勝となる。
 同会で麻雀教室が始まったのは六年前。当初は十人ほどのメンバーだったが、現在では毎週二十人ほどが入れ替わりで通う。目的は「みんなでわいわい集まって親睦を深めること」。これまで百五十人近い人が通った計算だと先生の右近幸夫さんは話す。
 同教室では三人のボランティアの先生が、一から丁寧にルールを教えてくれる。まったくの素人だった人も、今では慣れたように牌を積んでいく。教室に二年くらい通って、一通りルールを覚えたら〃卒業〃する人も多い。
 日系社会で麻雀が人気を博したのは、七〇年代から八〇年代にかけて。コロニアでも特に壮年、初老男性たちの間で盛んだったし、駐在員が仕事帰りに「ひとつ麻雀でも」とよく集まったという。お金をかけるのは当たり前で、圧倒的に男性の遊びだった。博打のイメージが強く「偏見も強くあった」と当時を振返る。
 その後、デカセギの増加や日本企業の撤退もあって、麻雀愛好者は減っていった。しかし、最近は定年退職後の高齢者を中心に注目を浴び始め「静かなブーム」となっている。
 参加者の一人の本田純さんは十一人兄弟。「小さいころ兄達に混じってよくやったものです」と懐かしそうに語っていた。
 山中たつみさんは麻雀歴六十年。戦後満州から日本へ引き揚げて来る船の中で「男の人たちがやっているのを見て覚えた」という。それ以来、毎週いろいろな所で麻雀を楽しむ生活を送る。「老後の楽しみに最高です」と笑顔で話した。
 なぎさ会では麻雀教室のほかにカラオケやビリヤード、フォークダンス、コンピュータ教室なども開いている。会員は旧南米銀行グループの退職者が中心で四百人ほど。来年結成三十五年を迎える。
 「麻雀教室には一人で通ってきても大丈夫。一から丁寧に教えます」と教室代表の鳥居永子さん。漢字が読めない人も、牌の右隅に小さく数字がふってあるため安心だ。
 同教室は毎週金曜日の昼過ぎから午後五時ごろまでの週一回。
 問い合わせは、なぎさ会(電話11・5588・4871)まで。

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