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歴史締めくくり、将来へ=スザノ福博村=24日に75周年式典=出身者、縁の人に呼びかけ

2006年9月15日付け

 スザノ福博村の入植七十五周年記念式典が二十四日午前十時から、スザノ市イペランジャ区の福博村会会館で開かれる。当日は式典のほか、敬老会と懇親会も開催。約三百人の参加が見込まれている。また記念事業として計画されている七十五周年ビデオの製作も、この式典会場から始められる。福博村会の高木政親会長、斉藤武彦パウロ副会長、高木千恵子婦人会長、大浦文雄顧問が案内のため来社。村出身者、関係者に広く参加を呼びかけた。
 福博村では今年、草分けの原田敬太氏が入植した日と同じ三月十一日に七十五周年慰霊祭を実施。約七十人が訪れた。そしてこのたび、節目の記念式典を迎える。
 式典は二十四日午前十時から開催。その後、昼食をはさみ、敬老会と、村出身者、関係者を交えた懇親会を催す。会では大浦顧問が、福博村の敬老会の歴史について話す予定だ。
 村で最初の敬老会が開かれたのは、入植三十年を祝った一九六〇年。この時、当時の女子青年会員が歌った「福博敬老会の歌」のテープが今も残っていることから、会当日に当時の婦人青年会員が集まって四十六年ぶりにこの歌を歌うという。
 六十年代の最盛期には日本語学校生徒が百八十人を数えるなど、にぎわいを見せた福博村だが、現在の村会会員は約百家族。治安の悪化や若年世代の流出に悩んでいるのが現状だ。
 「次の八十周年には、一世はほとんどいなくなっているかもしれない。ここで一旦歴史を締めくくっておくべきだと思う」と話す大浦さん。式典への意気込みと、次世代への期待を表わす。
 開催にあたり、村では約三百のコンビッチを出した。高木会長は「招待状が届いていない人もあるかもしれません。たくさんの関係者に来てもらって盛大な式典にしたい」と話す。夫人で婦人会長の千恵子さんも「特別な時ですから、村の外からも大勢来てほしい」と参加を呼びかけた。
 式典等に関する問い合わせは高木会長(11・4742・6661)または大浦さん(11・4742・6274)まで。

一年かけ記念ビデオ製作

 福博村では現在、入植七十五周年の記念事業として記念ビデオ製作の計画を進めている。
 撮影はGSE社の畑勝喜氏が担当。昔の写真や映像、先駆者へのインタビュー映像などを交え、七十五年の村の歴史と現在をたどる。
 記念式典に村の出身者が集まる機会をとらえ、式典の当日から撮影を開始。約一年をかけて製作する計画だ。
 「小さくても立派なものを作れば普遍性を持つと思う。最後の村へのつとめです。福博だけでなく、日系社会のモデルケースになれば」と大浦さん。さらに、「当日村を訪れる出身者や家族の皆さんで昔の写真や映像などの資料を持っている人がいたら、持参してほしい」と呼びかけている。

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