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「ウニオン・プロ相撲」いい企画=〃本場の相撲〃孝東ら見せる=四股や股割り=相撲甚句まで=少年力士に胸かす

2006年10月10日付け

 ウニオン・プロ相撲(UPS、黒田吉信会長)主催の「第三回UPS相撲大会」が八日、サンパウロ市ボン・レチーロの常設土俵場で開催され、九日まで滞伯していた豊乃國、東心山、孝東の現役力士三人がデモンストレーションをするなどして、ブラジルの相撲ファンに〃本場の相撲〃を紹介した。
 昼食後、まわし姿で土俵に登場した三力士を会場は大きな拍手をもって迎え入れた。各力士の紹介のあと、東心山が相撲甚句を披露。透き通った声が会場いっぱいに響き渡った。
 「一、二、三、四」―。黒田会長の掛け声にあわせて、大相撲の作法の一つである塵手水(ちりちょうず)や四股ふみ、股割りなどが披露された。選手らは一つひとつの動作を食い入るように見つめていた。
 続いて孝東と豊乃国が、実際さながらの気迫あふれるぶつかり稽古を披露すると、観衆は大喜び。東心山は「普段の稽古よりは短いですけどね。ほんとは倒れるくらいまでやりますから」と満足した様子で語っていた。
 十三歳までの女子の部で優勝したジョイセさん(13)も「力士たちの完成された稽古をみて、とても勉強になった」と笑顔。今後の練習に活かして生きたいと明るく話していた。
 この日は、男女の幼少の部から大人の部までの白熱した試合が朝から繰り広げられた。
 三歳の時に移住し、アリアンサで幼少期を過ごしたという近藤篤司さん(83)は、今回はじめての相撲観戦。妻といっしょに「こういう企画はとてもいいですね。私も幼少時代によく相撲をとったのを思い出しましたよ」と懐かしそうに振り返っていた。
 デモンストレーション後に全力で力士に相撲を挑んだビクトルくん(9つ)は、「うれしかったです」とはにかみながら感想を語った。三年前から父親と一緒に相撲に取り組んでいるようで、「将来は日本でプロの力士になりたい」と夢を話していた。

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