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裁判に向け対応協議=県連代表者会議=21万レ請求問題で紛糾=前執行部の責任問う声も

2006年10月11日付け

 ブラジル日本都道府県人会連合会(松尾治会長)の九月度代表者会議が六日午後五時から広島県人会館で開かれた。日本訪問から今月五日に帰国した松尾会長が訪日成果を報告したほか、二十一日に開かれる県連創立四十周年式典、来年サンパウロ市で開催が決まっている海外日系人大会、汎アメリカン日系人大会に関する報告があった。また、昨年の県連フェスティバル・ド・ジャポンに関して会場設営業者から起こされている二十一万レアルの訴訟について説明。裁判になった場合を想定した対応を進める方向性が確認された。
 県連をゆるがしている裁判問題は、昨年度のフェスティバル・ド・ジャポンでついたてなどの会場設営を請け負ったEXPOSTAR社から二十一万レアルを追加請求されているもの。昨年度会計の段階では発覚しておらず、今年四月の松尾執行部発足後に請求があった。
 この請求について、昨年の開催に携わった中沢宏一前会長、田畑稔前実行委員長は、自身がサインしたものではないと主張。県連では、すでにサンパウロ市第三裁判所に提訴されたことを確認している。
 会議では県人会代表者からは、執行部の説明不足を非難する声とともに、昨年度フェスティバル開催に関わった前執行部による説明を求める意見もあがった。
 こうした声に対し、松尾会長は、問題となっている請求に関する契約にサインしたのが、昨年のフェスティバルにコーディネイターとして参加したダニエル・タカキ氏、モアシール・アリムラ氏の二人であることを明らかにした。その経緯に関して前執行部がどのように関わっているかは明らかになっていない。
 松尾会長は、現時点では裁判所からの通知が届いておらず、現在ある書類だけでは詳細が分からないとして、「今はこれ以上の説明はできない」と述べるにとどまった。
 EXPOSTAR社に対してはすでに、昨年分の設営費用として三十四万レアルが支払われている。今年度フェスティバルの財務を担当した大西博巳副会長によれば、今年の開催でついたての設置にかかった費用は二十万レアル以下。同副会長も、裁判所の通知が届いてから対応する考えを示した。
 実際に裁判になった場合を想定して、県連側でも今から弁護士選定など対策を進める必要があるとの意見が上がり、これについては執行部に一任することが決まった。
 また、松尾会長の百周年記念協会執行委員長就任にともなって県人会から出されていた県連会長を休職する提案については、執行部の協議の結果、会長職と兼職することが報告された。
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 この日の会議に出席していなかった中沢宏一・前県連会長は十日、ニッケイ新聞の取材に対し、今回の二十一万レアル請求問題は「現執行部で解決すべき問題」との立場を示しながらも、前執行部の説明責任を問う声があることについては、現執行部に対して説明する意思があるとコメントしている。

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