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◇コラム 樹海

 独裁と専制国家の暴挙に世界の国々が振り回される。「平和への脅威」と非難すれば、北朝鮮の国連大使は「祝福すべきことだ」と反論する。金正日総書記は例によって沈黙は金を決め込みナンバ―2の金永南委員長は共同との会見で「米次第で再実験も」と真に以って威勢がいい。核実験がどんなに恐いかの認識がまったくない―としか申しようがない▼ブッシュ大統領は怒り英仏独も同調する。日本も独自に制裁措置を決定した。北の船の入港禁止。全産品の禁輸と北朝鮮人の入国も禁じると厳しい。輸入品はアサリとかの海産物と衣料品などであり日本にとってはそれほど苦痛ではない。米は金融制裁に入っているし、これに日本の制裁が加われば金正日体制に大きく響く。そこへ安保理制裁が採択されれば、北の国から嘆きと悲鳴が聞き取れるに違いない▼先の小欄でも少し触れたが、最悪の場合は北朝鮮の崩壊もありうる。核兵器には猛進するが経済的には破綻し、国民は飢餓状態に陥っている。食糧であるコメを外国からの支援に頼り、収容所国家になっている事実もある。そこへ国際的な制裁が実施されたなら―もはや国家としての機能も失いかねない▼ 武 政権の太陽政策は誤りだし中国の抱擁政策も正しかったとは云い難い。この核実験で胡主席も対北外交の見直しに踏み切った。中韓は首脳会談を開き「核実験は許せない」と強い態度を打ち出してもいる。と、北朝鮮を取り囲む状況は真っ暗と云ってよくさらなる孤立化へと進む。 (遯)

2006/10/14

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