ホーム | 日系社会ニュース | 「県民運動」として盛り上げ=千葉県人会館の建設に=官民一体で協力体制へ=パンフ百万部を配布

「県民運動」として盛り上げ=千葉県人会館の建設に=官民一体で協力体制へ=パンフ百万部を配布

2006年10月20日付け

 県が音頭をとって地域の民間主力団体を巻き込み、県人会館建設の資金を募る協賛会を立ち上げた。この「ブラジル千葉県人会設立50周年記念事業協賛会」は7月、日本で設立され、すでに募金活動をはじめている。来年、節目の年を迎える千葉県人会(原島義弘会長)は、記念事業として会館建設を目指しており、それに県側が官民一体になって応えたものだ。母県ではパンフレットを百万部用意し、県民運動として協力活動を盛り上げている。
 一九五七年に創設した千葉県人会。これまで会館を所有せず、二〇〇〇年から昨年六月まで奈良県人会館に間借りする形で事務所を開いていた。
 一方で、原島会長は六年前から年二回ずつ県庁を訪れて、会館の必要性を説明し続けてきた。「土地は県人会で用意するので、建物には県からの援助をいただきたい」。
 昨年六月、千葉県人会は地下鉄ジャバクアラ駅近くに三百平方メートル(横十メートル奥三十メートル)の土地を三十万レアルで購入。現在は、そこにある建物を事務所として使用しているが、「古くて増改築ができず、人が集まるには狭すぎるため会館には不十分」と母県に訴えてきた。
 今年四月に県庁から九年ぶりに職員が来伯。新会館建設用の土地を視察し、同県人会役員、留学生OBらと意見交換を行い、他の県人会館を見て廻った。
 その結果を受け、七月に県内で「ブラジル千葉県人会設立五十周年記念事業協賛会」が設立された。「県の審査に合格したのでしょうね」と原島会長は笑顔を見せる。
 県人会館建設に関して従来は、県庁が一括して建設資金を捻出する方法が一般的だった。今回は県が音頭をとって協賛会を設立し、県民運動として広く民間から資金を募金して集める方法となった。
 代表には千葉県議会ブラジル友好議員連盟会長の八代俊彦県議のほかブラジル移住家族の会、商工会議所連合会、中小企業団体中央会、農業協同組合中央会など九つの県経済関係団体会長が名前を連ね、特別顧問は堂本暁子県知事が務める。八月末に県議会で一回目の会合が行われ、千葉日報、産経新聞、NHKでも取り上げられた。
 千葉県人館が目指す会館は、鉄筋コンクリート造の地上三階地下一階建て。延べ床面積七百七十六平方メートル、建設費約五千万を見込んでおり、学生寮を設けて会館運営を行っていく方針だ。
 協賛を求めるパンフレット百万部が刷り上り、先頃ブラジルにも届いた。県内ではまず県庁内に配布したという。剣道大会などでもブラジルの剣道事情を紹介しながら会館建設への協力を求めていく予定だ。
 県人会では、すでに会員百六十五家族を含めた、国内で把握している三百九十一家族の県人らに会報とパンフレットを発送済み。「五千万円以上の協力が集まれば、隣の土地を買い取り、もっと大きな会館にしたい」と原島会長は期待をのべると同時に、「皆さんもぜひ協力してください」と県人らに呼びかけた。
 来年八月二十六日の五十年式典の際に、鍬入れ式あるいは、上棟祭を行うことを目指している。
 また、千葉県人会では記念事業として、五十年誌の編纂も進めている。「一世の最後として記録を残したい」。今年いっぱいは資料を集め、来年の式典を目処に発刊をしたいという。

image_print