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長野県上田市=ブラジル人激減、1千人割り込む=閉校、食料品店も経営難

ニッケイ新聞 2012年4月25日付け

 【信濃毎日新聞】かつて外国籍市民が県内最多だった上田市で、ブラジル人市民が昨年度末、3町村と合併した2005年度以降の年度末統計で初めて1千人を割り込んだ。同市市民課などによると、08年秋のリーマン・ショック以降の景気低迷で、経済成長が続く母国に帰国したり、求人が多い他の都道府県へ移住したりする人が相次いでいるという。市内ではブラジル人を対象にした学校や食料品店が経営難で閉店するなどの影響が出ている。
 同課によると、ことし3月末の市内在住ブラジル人は前年同期比183人減の985人。05年度末の3202人の3分の1以下だ。外国籍市民全体でも03〜09年までの7年間は上田市が県内市町村で最多だったが、10年末は4066人と前年同期より434人減少。松本市が4089人で7年ぶりに上回った。
 市内では、主にブラジルの香辛料や酒などを扱っていた食品店「エンポリオ・インターナショナル」(上田市常磐城5)が、3月上旬までに閉店。月1回ほど買い物に来ていた市内の50代の日系ブラジル人女性は「仲間が減るのは寂しいが、上田には仕事が少ない」と話す。同市材木町のブラジル食品店「リアル」の従業員で、日系ブラジル人の江川良美さん(49)は「同業者が閉店しても、客が増えない」とため息をつく。
 昨年12月には、上田小県地域のブラジル人の子どもらにポルトガル語の教育をしていたブラジル人学校「ノボ・ダマスコ」(上田市芳田)が閉校。江川さんは「ポルトガル語教育を希望して帰国した友人も多い」と説明する。
 1990年の改正入管難民法施行により日系2、3世の日本での就労制限がなくなったことを背景に、上田市には職を求めるブラジル人が増えた。市市民課によると、90年12月〜2011年3月は同市の外国人登録者の中で最も多かったが、11年4月末に中国人が最多に。ことし3月末時点での登録者は多い順に中国、ブラジル、韓国・朝鮮籍となっている。
 県国際課によると、1989年以降、県内の外国籍市民は05年末の4万4726人をピークに減り続けており、11年末は3万3521人。ブラジル人も1万7911人から7679人に減った。伊那市と塩尻市のブラジル人学校が合併に向け動きだすなど、各地に影響が出ている。

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