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バーレ・ド・コロニア=カーザ・グランジなど=協力=ファベーラで賑やかに日本祭り=若者ボランティアらが奮闘

2006年10月25日付け

 日本人ボランティアが主催してファベーラ住人らに日本文化を紹介するイベントが、22日にサンパウロ市パレリェイロス区のペケーノ・プリンシペで行われた。今年はバーレ・ド・コロニア(通称=コロニア部落)やカーザ・グランジの日本人会の協力を得て、この「日本祭り」を実現。約300人が訪れた。会場となった公園には周辺住民や、モンチ・アズール日本語学校の生徒、コロニアの人々らが集まり、にぎやかな1日となった。
 「日本から来た若い人らががんばっとるんやから、これはやらなあかんということになりまして」と、バーレ・ド・コロニア日本人会の田代弘会長(ひろむ、二世、58)は協力することになった経緯を振り返る。
 今回で約二十回を迎えるボランティア主催の日本祭り。従来はモンチ・アズールで行われていたが、「せっかくなら別の場所でもやってみたい」と、今年はパレリャイロスで開催する運びになった。
 主催者は日本から来ているボランティア、二十代の青年七人。これまで交流協会生の協力で行ってきたが、今年はいない。「人手が足りなくて悩んだ末、コロニアの方にお願いしたら了承してもらえて」とボランティアの一人、橋口博幸さんは笑顔を見せる。
 当日は同コロニア婦人会、青年会のメンバー約四十人が手伝ってやきそば作りを担当し、同コロニアの青年が着物でカラオケを披露していた。
 「部落内で夕食会をしたり、区のフェスタ・ジュニーナでヤキソバを作ったりしてたけど、ガイジンに日本文化を紹介するなんて、これまでやったことはなかった」と同コロニア元会長の中尾和義さん(三世)はじみじみ語った。
 同コロニアは昨年、入植六十五周年迎えた。「サント・アマーロからこっちはイタリアやドイツ系が多かったね」。同コロニアもドイツ人が築いたところだ。現在の日本人会会員は約五十家族で、運動会や週末の夕食会、カラオケ教室などを行っている。
 会場では、モンチ・アズール日本語学校の非日系の生徒達が日本語で歌を発表。同地の子供と一緒になってソーラン節を踊った。琉球國祭り太鼓が披露されると、周りには人垣ができ、大きな拍手が送られていた。ワルテル・テスク・パレリャイロス区副区長も来場し、祭りのにぎわいを楽しんだ。
 会場を訪れた土井信彦カーザ・グランジ日本人会会長は「これからも祭りが続いていけば面白いよ」。田代正美汎サント・アマーロ連合文化協会会長も「いいイベントだ。汎サント・アマーロも協力していければいい」と話した。
 「もっと事前によく広報をすれば、たくさんの人が集まるんじゃないか」と中尾さん。「最近では、若い人たちが(日本人会の)会館の使用を非日系に広げてはどうか、という話をしている。日本人会も変わってきたんだよね」。
 早朝まで雨が降っていたが日中、晴天に恵まれて盛り上がった日本祭り。橋口さんは、「コロニアの人と知り合えてよかった。いい人たちに出会えたと思う」とほほえんだ。

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