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21世紀をどう生きるか=救済会=11月に高齢者講演会=ABJICAと手を組んで

2006年10月27日付け

 ブラジルの高齢化社会に向けて――。憩の園を運営する社会福祉法人救済会(吉岡黎明会長)と国際協力機構帰国研修員同窓会(ABJICA)が十一月八日、「二十一世紀を生きる高齢者の生活~ O IDOSO NO SECULO XXI ENVELHECIMENTO ATIVO~」と題した講演会を実施する。
 同講演会は、在宅介護をはじめ高齢者問題に関して幅広いテーマを取り扱うもので、八日午後一時半から五時半まで文協ビル(サンジョアキン街381番)小講堂で開催される。
 近年、ブラジルでも高齢化社会が進み、介護を必要とする老人が増える一方、日系の老人介護施設は数少ない。
 グアルーリョス市にある憩の園の入園者は現在九十人以上。要介護棟は満員の状態で、入園希望者の順番待ちが続いている。
 同園では「施設に入っていない人にも介護のノウハウを学んでもらい、在宅介護に活かしてもらう」ことを目的に、高齢者介護に携わっている家族を対象とした「相談会」や「講習会」を数多く実施し、初歩的な介護技術を手ほどきしてきた。
 昨年には「介護者支援グループ~Grupo de Apoio ao Cuidador」を立ち上げ、心理士の中川クラーラさんを中心にアルツハイマーやパーキンソン病の人、体の不自由な人を支援する活動も行っている。
 今回実施される「二十一世紀を生きる高齢者の生活」の講演会では、医師のアドゥリアーナ・タミエ・イリカワさん、看護士のルージア・アパレシーダ・アレイショさん、栄養士のエレーナ・ユカリ・アダチさん、理学療法士のマルシオ・ヒラヤマ・ススムさんなどが講演するほか、中川心理士による「ダンサ・デ・セニョール(シニアダンス)の実演も行われる。
 吉岡会長とABJICAサウージ会理事の西村タチアーネさんが案内のため来社した。吉岡会長は「介護をする人たちに情報を流すことが今回の講習会の目的」と話し、在宅介護の必要性を強調する。
 二〇〇四年に日本で高齢者総合福祉施設(至誠ホーム)で研修を終え、今講演会のコーディネーターを務める西村理事は、「せっかく介護福祉面で先を進む日本で学んだ情報。帰国した後(ブラジル)社会で役に立たせることが私たちOBの役目だと思います」と話し、来場を呼びかけた。
 参加費無料。講演はポルトガル語で行なわれる。
 希望者は救済会(11・3208・7248、エリカ)まで。

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