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ホンダがフレックス車生産開始=スマレー=日本車としては初=7日にラインオフ式=1億ドル投資し拡張中

2006年12月8日付け

 ホンダのブラジル現地法人、ホンダ・オートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ(Honda Automoveis do Brasil Ltda=岩村哲夫社長)は七日午前十一時からサンパウロ州スマレー市の同社四輪車工場で、日本車としては初の、エタノール燃料でも走れるフレックス車を生産開始した。販売が好調を維持していることから、昨年来一億ドルを投資して設備拡張を進めている。

 その初完成車が組立てラインから出されるラインオフ式が午前十一時から行われた。フレックス車のシビックは先月から生産されているが、ラインオフが深夜だったため、時間が適当だった今回のフィット車ラインで式典を行うことにした。
 岩村社長はラインオフ式典のあいさつで、「他社よりも後発ですが、その分、安全性と利便性を求め、進化したフレックス車をクライアントにお届けしたい」と語り、自社開発技術への自信をのぞかせた。
 当直の社員三百五十人が周りで見守る中、岩村社長、ナツメダ工場長らによりテープが引かれ、一号車がお目見え。その後、社員の代表が、高品質の製品を生産する誓いの言葉を述べた。
 今年、ブラジル国内で販売された車両の八割近くが、エタノール燃料だけでもガソリンとの混合燃料でも走行可能なフレックス車だった。ホンダでは市場の需要に応えるために、新技術を開発し、生産ラインにのせた。
 ブラジルで市販されているガソリンは、すでに二〇%のエタノールが混入されている。フレックス車は二〇~一〇〇%のエタノール燃料で、ガソリン車と同等の動力性能、低燃費性が実現された。
 さらにエタノール車は一般的に、低温時にエンジンがかかりにくいが、サブタンクをフロントフェンダーに装備したコールドシステムにより、始動性も改良している。
 同車の〇四年の販売実績は市場拡大を上回る前年比一五八%(約五万七百台)で、〇五年は約五万七千台(輸入車含め)、今年は六万七千台の予定。シビックとフィットが半々を占める状態だという。
 特に好調なのは、今年四月末から発売されている新型シビック(セダン、三年間保証)で、今申し込んでも納車は来年四月になるという。
 また〇三年四月に発売開始されたフィット(二年間保証)も高い居住性が実現された車内空間、経済性、オプションの多さなどが好評を呼んでいる。

08年に年産10万台へ

 さらに同社広報によれは、南米の旺盛な四輪車需要により、両車種とも好調な販売を続けていることから、昨年十一月から一億ドルを投資して設備拡張を図っている。
 具体的には、建屋の拡張、溶接・塗装・組立ライン設備の増設を行い、〇五年現在で五万五千台(日産二百四十台)だった生産能力を、〇七年初めには八万台強(日産三百六十台)にし、〇八年には十万台(日産四百台)に拡張する。
 同社の従業員は現在約千八百人。

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