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〝お家騒動〟超え結束へ=生まれ変わる神奈川県人会=新会館を21日にお披露目

2007年1月6日付け

 「新生神奈川県人会として出発します」。新年早々、村田洋会長はそう胸を張る。当時の会長が独断で会館を売却するという〃お家騒動〃を超えて、神奈川県人会が新会館のお披露目式を二十一日午前十一時からに行うことになった。新メトロ駅イミグランテから徒歩五分の好立地にあり、ポルトガル人所有の豪邸を購入し、現在急ピッチで改装工事を施している。
 母県からの来賓はいないが、すでに県庁から祝電が届いているという。各県人会はもちろん、日系諸団体や関係企業に招待状を送っており、当日は百五十人の来場を見込んでいる。
 約六百平米の土地に、四百五十平米の豪邸(プール付き)が建っており、学生寮や図書館をもうける予定だ。村田会長は「駅から近く、分かりやすく閑静な住宅街です」という。
 一九六五年四月に創立した同県人会の正式名称は神奈川文化援護協会。六五年九月に落成した旧会館はビラ・マダレーナ区の閑静な高級住宅街あった。文協ビルが落成したのが六四年であり、当時の県人会としては画期的なことだった。当時の内山岩太郎知事が賛同して投資してくれたからこそ可能だった。
 ところが〇五年一月、当時の高世整一会長が独断で会館売却交渉を進め、破格の安値で売ろうとしていたことが発覚し、一時は「もう解散したらいい」との声が会員から挙がるなど、大混乱になった。
 その後、現在の執行部が就任して事態の収拾を図るべく、定款改正を進めるなど会議を繰り返した。さらに前会長が独断で結んだ売却契約の件を裁判に訴え、相手方の不動産会社と値段の交渉を進めた。
 最終的に当初の契約価格の二倍、本来の市価、約百八十万レアルで売却することができた。今年九月までに分割払いで受け取る予定。その収入があるために新会館が購入できたという。
 次なる県人の憩いの場をお披露目すべく、改装工事や式典の準備に忙しい毎日を送っている村田会長は「いろいろありましたが新しい気持ちで再出発したい」との心境をのべた。

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