ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

2007年1月20日付け

 ヴェネズエラのチャベス3選、エクアドルのコレア大統領就任と南米の左傾化は進む。チャベスのアメリカ嫌いは凄まじく「ブッシュは墓へ」と罵り、ボリビアのモラレ大統領も天然ガスの国有化を宣言する反米派である。何しろ南米12ヵ国のうち左翼政権は8ヵ国にのぼり、反米国はヴェネズエラ、ボリビア、エクアドル3ヵ国なのだからまさに「赤旗バンザーイ」である▼南米には以前から社会主義志向が高い。アルゼンチンのペロン政権もそうだし、60年代初めのブラジル政権も左傾化が目立ち64年3月31日に軍事革命が起った。チリにしても70年に左系のアジェンデが大統領に当選し銅産業を国有化し反米の狼煙を揚げたけれども、ピノチェット将軍率いる軍事革命に敗れ官邸で激しい銃撃戦を展開し自らも自動小銃を手に奮闘したが死亡している▼何故―こうした革命思想が根強いのかは、所得配分の格差が極めて大きいことによるのではないか。ルーラ政権が実施しているボルサ・ファミリアに象徴されるように貧者対策は南米における国家の重大事なのである。反米3ヵ国にしても、国民の1か2%にしか過ぎない超富豪と貧困層の所得格差は広がる一方である。チャベス人気の秘密も、貧困者救済政策が国民からの支持に繋がっていると見ていい▼こんな悪弊は急いで改革すべきなのだが、これが中々に難しい。ブラジルでも「農地よこせ」の運動が激しくなっているが、農地改革一つを取っても順調には進んではいない。こんな貧しい人々の不満と鬱憤が南米諸国の政治を左翼化させ反米派勢力を大きくしている。   (遯)

image_print

こちらの記事もどうぞ