ホーム | 日系社会ニュース | 高木氏担ぎ統一シャッパか=文協選挙=迫られるGASの対応=大原氏はいまだ固辞

高木氏担ぎ統一シャッパか=文協選挙=迫られるGASの対応=大原氏はいまだ固辞

2007年4月14日付け

 統一か対立か――。三派をまとめるうえで、新会長の最有力候補とされていた大原毅氏の立候補要請辞退により、コロニアは風雲急を告げている。
 会長第一候補に高木ラウル氏を挙げ、票固めに動いている「しんせいきのかい」の小山昭朗氏は、GAS(現体制派)の中心メンバー、渡部和夫氏と十三日午後に接触する予定だ。
 小山氏は渡部氏に、GASメンバーに対して、高木を会長とするシャッパ容認の説得を依頼、「土下座してもいい。一肌脱いでもらいたい」と力を込める。
 同日夜に行われるGASの会合でこの件について検討したいと話す渡部氏は、「色々な人に意見を聞いたが、やはり新聞社の社長ということが問題になっている」と話す。中立の立場である報道機関の代表が文協会長になることに〃コロニアのモラル〃を指摘する声もあるのだという。
 一度は受諾を拒否した大原氏に関しては、「出来る限り説得した。もう(大原氏の)判断に任せるしかない」と苦渋をにじませる。
 渡部氏は、多羅間俊彦、二宮正人、山下ジョルジ、栢野定雄各氏にも立候補を要請しているが、いずれからも固辞されている。
 なお、十二日午後に高木氏は渡部氏と会合しており、この場で高木氏は会長選挙への出馬を表明したようだ。
 統一シャッパでの立候補を強調する高木氏を支持する「しんせい―」は票固めに動いているが、高木氏が名乗りを上げることにより、GAS側のシンパが流れることを期待する声も。
 GASが有力な会長候補を擁立することができなければ、少なくないといわれる反上原派評議員の動きが活発化するとの分析からだ。
 GAS自体が意識統一できているグループではないだけに、全派のコンセンサスが絶対必要ではない状況にきているようだ。
 「しんせい―」内では、谷広海、中沢宏一両氏を新執行部に送り込みたいとの声も強いようだが、小山氏は、「それは二の次。まずは高木氏をトップにすることを認めてもらいたい」と一点を強調する。
 そのうえで、GAS、「しんせい―」両派が支持する候補者のすり合わせを行いたいとの考えだ。
 ここで大原氏が会長への立候補を受諾する以外に、事態の急転はない。前回の上原氏も最後まで会長に就くことを否定し、四年の任期を務めた。まだ、大原氏出馬の可能性が消えたわけではない。
 GAS側が高木氏をトップにした統一シャッパを容認しなければ、「しんせい―」内部では、独自シャッパの提出やむなし、の強硬派もおり、その状態になれば「こちらも出すしかない」(渡部氏)。
 〇五年選挙の二の舞になるのか――。文協選挙の行方は波乱を含んだまま、大きな局面を迎えている。

image_print