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イグアスー移住地=『岩手の森』が生まれた=パ国、ア国同県人の共同作業=「木」を植えることは「気」を植えること=交流の永続性を約束

2007年4月19日付け

[イグアスー発]ブラジル国境から一番近い距離(約四十キロ)にあるパラグァイのイグアスー移住地で、去る三月三十一日、「岩手の森」が産声をあげた。アルゼンチンと移住地の岩手県出身者による共同作業の所産だ。親善交流のために同移住地を訪問したい、という在亜岩手県人会の佐々木太吉会長から連絡を受けた瞬間に菅原祐助イグアスー岩手県人会会長の脳裏に浮かんだのが「岩手の森」を作ろう、という意識だった。
 移住地の老人クラブ(鶴寿会)会長でもある菅原さんは昨年九月、会員と一緒に植林をして「鶴寿の森」を作った。植えられた苗木が順調に育っていて、「木を植えることは気を植えることにもつながり、交流の永続性を約束する」という意識を自己確信した矢先でもあった。
 早速、日本人会の環境保護対策委員会の篠藤菊雄委員長(愛媛県)と相談して植林の準備を進め、アルゼンチンからの同県者一行を迎えた。そして、アルゼンチンとイグアスー移住地の同胞の気が合致した森が生まれた。
 一行の一人、石亀喜久子さんは「イグアスー訪問のいい記念になりました。こんど来る時にはどんなにか大きくなっていることでしょう。健やかに育つ子供に会えるような気持ちで楽しみです」と満足顔だった。一行には渡辺弥さん、藤原昇さん、猪又康文さんら在亜岩手県人会の重鎮(元会長)らの顔もあった。
 イグアスー日本人会(公文義雄会長・高知県)は、日本経団連自然保護基金(本部・東京)の支援を得て二〇〇六年から森づくりを推進しており、すでに、交流の森、友情の森、こどもの森、青年の森、太鼓の森、鶴寿の森、が誕生しており、「岩手の森」は七番目の森の子だ。「今後は移住地の県人会員と家族が総出で植林を続けてこの森を育てていきます」と言う、二つの森の誕生を経験した菅原祐助さんは自信満々の顔だ。

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