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アンゴラ医療支援――JICA事業、ポ語圏なので――尾崎医師ら前面に

2007年4月25日付け

 サンタクルス病院(日伯慈善協会病院)の尾崎正幸ミルトン理事長補佐はさきごろ、十日間にわたってアフリカのアンゴラを視察した。アンゴラはポルトガル語圏の国、アフリカで最も貧しい国の一つとされている。
 保健分野の専門家ブラジル人二人と共に、国際協力機構(JICA)派遣使節団の一員として参加したもので、アンゴラの病院並びに医療システム調査が目的。
 調査はさる三月十九~二十九日に行われ、日本から派遣された四人が加わった。
 尾崎医師によると、当初の目的は、アンゴラにおける保健システムの指標分析、及びジョジーナ・マシェル病院の経営状態の診断であった。その結果を見て、同国の保健分野における医療作業方式の近代化、JICAが施す保健専門家の訓練のあり方を提案する方針であった。
 ジョジーナ・マシェル病院は、首都ルアンダにあり、二十七年間に及んだ内戦終結後の二〇〇二年に再建された。日本政府が病院再建と医療機器購入のため三千六百万ドル無償援助を行っている。
 一行はまた、ルアンダ市のルクレシア・パイン産院、ついでこれも日本政府が機器類装備に協力した後遺症治療保健所を視察した。ルクレシア・パイン病院は、ジョジーナ・マシェル病院と共にルアンダ市に隣接しておりヴイアナ市保健所も視察した。
 ミルトン医師は、アンゴラ国内は交通事情が極めて悪く、十五キロ離れたヴィアナ市まで二時間半を要するなど、移動に時間がかかり大変疲れる仕事だった、と語った。
 視察後、ブラジル人専門家一行は、同国の保健サービスの状況が非常に悪いことを認めざるを得なかった。上記の二病院は国内では医療保健システムの見本だが、ごく簡単な診察もできない。保健所は医師不在で、医薬品の取り扱いも技術的に知識の低い人々によって行われている。
 一行の得た結論として、訓練は可能な限りの広範囲にわたること(治療・診断のサポート面の看護、管理運営に焦点をしぼり)、ジョジーナ・マシェル病院の担当者だけに限らず、より多くの人々に対して行う必要があるということであった。
 日本政府への提案を見ると、訓練は〇七、〇八、〇九年に行われ、ブラジル人の専門家が参加すること、とある。尾崎医師は、病院運営面の訓練をコーディネイトするよう招かれている。(サンタクルス病院通信)

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