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2009年度秋の叙勲発表=ブラジル在住者5人が受章=非日系人はマナウスから一人

ニッケイ新聞 2009年11月4日付け

 日本政府は11月3日に2009年(平成21年)秋の叙勲受賞者を発表した。ブラジル在住の邦人4人、ブラジル人1人の計五人。在サンパウロ、クリチバ、レシフェ、マナウス各総領事館の、4管轄内から選ばれた。

 【在サンパウロ総領事館】
 旭日単光章を受勲することになった荻原孝行さん(79、広島、帰化人)=カンピーナス市在住=は、1973年から23年間、会長を務めたペードラ・ブランカ日伯文化協会の入植50周年記念式典の実行委員長を務めるなど活動の活性化、後継者育成に貢献。 同移住地は旧南伯産業協同組合を中心とし、果樹、特にゴイアバの生産地として栽培地を作りあげ果樹栽培農家の形成に力を注いだ。
 また、カンピーナス市と岐阜市との姉妹都市交流事業に積極的に参画し、訪伯団の受け入れ及び訪日団派遣に全面的に協力した。
 受章の知らせにあたり、「どうしてもやらなければいけなかったことばかりだった」と謙虚に話しながら、「こんな嬉しい事は初めて」と喜びを噛み締めた。
 瑞宝中綬章を受勲することになった坂手實さん(73、二世)=サンパウロ州ボツカツ市在住=は、ボツカツ日本文化協会の設立に尽力し、初代会長として日系人の地位向上、協会の発展に貢献。
 ブラジル青年協会では青少年講習会を定期的に開催して、日伯農村青少年指導者の育成に関わった。
 さらに、サンパウロ州立パウリスタ総合大学教授として、日本文化学術交流コーディネーターとして日伯間の文化学術交流にも尽力した。
 「有り難いばかり。我々の時代の日本人はみんな苦労した。これを一つの旗として、これからの日系人は今後の日伯の関係を作り、ブラジルの国づくりに努力して欲しい」と語った。
【在クリチバ総領事館】
 旭日双光章を受勲することになった今津貞利さん(77、福岡県)=パラナ州ローランジア市在住=は、ローランジア文化体育協会理事長、副理事長及び会計主任として地域の日系社会の親睦並びに文化、スポーツの振興を図り、協会の発展と共に生活の向上に大きく寄与した。
 また、パラナ老人福祉和順会ローランジア支部長として困窮日本人、日系人の福祉施設の発展に大きく貢献した。
 ローランジア農業センター長として農業実習講習会を毎月実施する他、日本から農業高校研修生の視察・受け入れを行い、センター内に慰霊碑、移民碑、移民史料館、記念塔、パラナ開拓神社の建立にも関わった。
 パラナ日伯文化連合会の役員として、1978年の日本人移民70年祭を始め、天皇皇后両陛下(当時、皇太子夫妻)や皇太子殿下、礼宮様(現秋篠宮殿下)など、皇室を合計4度迎えた。「皇室の方々を身近に感じることが出来た。良い思い出です。(受賞を)最初はピンとこなかったが有り難いことです」と感想を述べた。
【在レシフェ総領事館】
 旭日双光章を受勲することになった宮本武弘さん(71、静岡県)=バイア州イツベラ市在住=は、イツベラ移住地文化協会会長として、個人所有の農地を移住地全体で使用する農場試験場用地として無償で提供。ランブータンやマンゴスチン、クプアスーなど様々な熱帯果樹を同地に導入した。
 同移住地日本語学校初代校長として、同校設立に尽力。バイア日伯文化協会連合会会長として、親睦組織の基礎を固め、及び日本語教育の質向上に貢献した。
 宮本さんは、「みなさんの支援があり、好きでやってきたからこそ」とニッケイ新聞の取材に答えた。
【在マナウス総領事館】
 旭日小綬章を受勲することになったジョゼ・ナッセルさん(63、ロンドニア州ポルト・ベーリョ市出身)=アマゾナス州マナウス市在住=は、日本進出企業のマナウス・フリーゾーン参入、また、日本とアマゾナス州の経済交流への貢献をした。
 さらに、同ゾーンにおける日伯環境プロジェクトの推進や、日本企業と合同での人材育成へ尽力した。

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