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デカセギ向け日本語速成塾=センターの準備授業終了=次の段階、講師養成=今週末から研修会を

2007年4月27日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)が、二年がかりで準備を進めてきたデカセギ向け日本語短期講座「速成塾」が、いよいよ始まろうとしている。四人のデカセギ予定者を対象にした準備授業がようやく終わり、十九日に終了式が行われた。何度も見直しされた教科書や、教授法が最終確認され、二十九日からの六日間、講座講師養成研修会が始まる。同センターでは、現在も速成塾への募金を受け付けている。
 準備授業は今年一月末から約三カ月間、六十時間かけて実施。就労経験者へのアンケートをもとに、日常生活や仕事場で必要な言葉にしぼり、習慣の違いを説明する部分も取り入れた。
 「最初の一週間は生徒も教師も要領を得なかったけど、少しずつ慣れて、半分を過ぎたころから安心して授業できるようになりました」と、本田秀子教師。生徒は日系男性が一人、非日系女性が三人で、いずれも同講座で初めて日本語にふれ、三カ月でひらがな、カタカナの文字と簡単な会話を学んだ。
 日系の夫を持つ非日系人のタニア・マナ・イマイさん(35)は「いい加減ではいけないことを学びました。態度も気持ちも相手を思うことが大事」。山田直子シニアボランティアは「これから続けて(日本語を)勉強するための一歩を用意したというところです」と意義を話した。
 二十九日からの第一回養成研修会にはサンパウロ近郊から十五人が参加し、年内に計四回、最終的には全伯で百二十人の講座教師を養成するまで行われる予定だ。
 谷理事長は「多くの関係者に協力をお願いしています」。海外日系人協会を通じて日本での免税許可をとり、盛和塾(稲盛和夫塾長)を中心に、これまでに五千万円の予算額のうち、約二千百三十四万円が寄せられている。センターでは同講座に対しての寄付を、日本国内でのみならず、ブラジルに進出している日本企業、ブラジルの関係会社、関係者らに呼びかけている。

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