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2008年へ心機一転=レジストロ=市の百周年委が正式発足=事業成功に協力呼びかけ

2007年4月27日付け

 九十周年締めくくり、百周年に――。レジストロ文協会館で十九日、同市の日本移民百周年委員会(那須野秀男委員長)の発足式が開かれた。この日はまた、二〇〇三年のレジストロ入植九十周年組織委員会の解散式もあわせて行なわれ、西林万寿夫在聖総領事、市長はじめ、同地の関係者約二百二十人が出席。気持を新たに、市を挙げての百周年に向けスタートを切った。
 「これから出発です」――。レジストロ市百周年委の那須野秀男委員長(77)は、にぎわう会場で力強く語った。
 同市ではすでに記念モニュメントなどをはじめとする記念事業計画が進行中。来年六月には、同地域のリベイラ連合と聖南西文体連との地域合同式典が同市で開催されることが決まっている。
 この日はまず、レジストロ入植九十周年祭典実行委の解散式が行なわれた。
 同委員会最後の仕事となったのが、記念事業として建てられた文協会館前の記念碑の除幕。
 同会館は市から土地の寄贈を受けて建設され、〇三年十月二十七日に落成したものだ。同碑には、建設に協力した二百七十人の名前が刻まれている。
 委員長をつとめた山村敏明さん(現・リベイラ・聖南西地域の百周年コーディネイター)は、すでに市の観光地にもなった同会館の建設事業を「次世代につなぐ仕事」と位置付け。「これからも第一の目的である日本文化の継承を進めたい」と話すとともに、市や姉妹都市の岐阜県中津川市、また文協関係者などの協力者に対し「皆さんの協力なくしてこの会館建設は実現しなかった」と感謝の言葉を述べた。
 来賓一同で記念碑を除幕後、会館に移り、同市百周年委員会の発足式へ。
 同市ではすでに、造形作家の豊田豊氏による、レジストロ経済の基礎となった精米、製茶の機械を使ったモニュメントをはじめ、市の入口に東洋風の門を整備する案、文協前の通りに鳥居や日本庭園などを整備するプロジェクトが進行中。発足した委員会では、クロビス市長、市議会議長をはじめ、地元選出の連邦下議、飯星ワルテル下議などが名誉委員長に就任している。
 また、今年七月にはプレ・イベントとして、サンパウロ市で開かれる海外・汎米日系人大会の一行が同地を訪れることになっている。来年六月に開催予定の、同地域のリベイラ連合(FENIVAR)十一団体と聖南西文体連(UCES)二十二団体による合同式典もレジストロが会場だ。
 式には西林万寿夫総領事クロビス・ビエイラ・メンデス市長をはじめ、地元選出の連議、州議、サンミゲル・アルカンジョ市長、リベイラ、スドエステ地域の文協関係者などが出席。
 同市の委員会コーディネイターをつとめる川本イネス副市長がレジストロのプロジェクトを、続いて山村敏明コーディネイターが地域合同記念プロジェクトの概要を説明した。
 この日初めてレジストロを訪問したという西林総領事は、「(百周年の)準備が進んでいることに感銘を受けた。総領事館としてもできるだけ協力したいと考えている」とエール。
 入植九十周年祭典で副委員長をつとめた那須野委員長は、レジストロへ入植した日本移民の献身と犠牲、子弟の努力により同地の基礎が築かれたと語った。そして「九十周年が終わり、今日から百周年の仕事がはじまります」と宣言。記念事業成功のため出席者、レジストロ市民の協力が不可欠と呼びかけた。
 メンデス市長も出席した関係者一人一人に感謝の言葉を述べ、協力を呼びかけていた。
 式終了後は夕食会が開かれ、西林総領事の発声で乾杯。同文協婦人部の手料理を囲んで歓談した。
 委員会では今後、奉加帳や、灯篭流し、寿司祭りといった年間イベントを通して資金集めを進めていくという。〇八年はまた、レジストロ入植九十五周年にもあたる。

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