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イグアスー太鼓工房=3尺の特大「和太鼓」制作へ=100周年記念公演の特注

2007年5月18日付け

 【イグアス―発】パラグアイのイグアスー移住地にある太鼓工房(澤崎琢磨代表、東京都出身)で面の広さが三尺(九〇センチ)の大きな和太鼓の製作が始まった。この和太鼓は来年、日本人移住百周年を迎えるブラジルで文化庁の後援を得て記念公演することが決まった日本の民族歌舞団『荒馬座』から特別に注文を受けたものだ。
 『荒馬座』は一九六六年に東京都板橋区で創設された歌舞団で、太鼓や踊り・唄などの民族芸能を中心とした舞台公演を行っている。
 来年三月にはサンパウロ、パラナ、サンタカタリーナ州を中心に公演を行うことが決まっている。一行は狩野猛団長(座長)を合わせて総勢二十名だ。
 二年前のパラグアイ記念公演の時にもイグアス太鼓工房で製作された太鼓と竿灯を活用して好評だったため、今回は三尺太鼓の特注となったもの。写真のように、三尺太鼓は見た目にも大きい。完成すれば胴の太さが三尺二寸(九六センチ)、長さ三尺六寸(一〇八センチ)、重量百キログラムを越える大型太鼓となる。
 材料の樹種はイグアスー地方で自生していたカナフェート(学名・Poltophoorum dubium)。樹齢は不明なるも百年を越えているであろう。
 研磨作業をしているのは黒沢貢次さん(群馬県)だ。二〇〇三年以来、イグアス工房で大小多くの和太鼓作りを手掛けてきたベテランの石井吉信棟梁(七三、山形県)は言う、「この工房でこれほど大きな太鼓を作るのは初めてだ。和太鼓は自然乾燥の度合いが音質を決める。来年三月の公演に間に合わせて作らなければならないが、これからの天候との闘いだよ」。
 秋田県伝統の竿灯(かんとう)の製作も依頼を受けている。これは豊かに稔った稲穂を暗示する多くの提灯を吊り下げる竹竿のバランスに繊細な技法が求められている。
 秋田県出身で太鼓工房スタッフの一人、幸坂佳次さん(イグアスー日本人会理事)はすでに強靭な竹材捜しを始めている。パラグアイのイグアスー移住地で培われている『匠』の技が『荒馬座』公演を通してブラジル移住百周年に日本人の「粋」で貢献する機会を得る。「森づくり」が着々と進んでいるイグアスー移住地では太鼓工房も必見の場所だ。

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