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コロニアではなく伯政府へ?=天野氏=解体許可受け、整地へ

2007年5月22日付け

 日本政府から伯政府への贈り物―――?
 お騒がせ男、東京在住の天野鉄人氏(69)が七日に来伯、リベルダーデ区に所有する四千平方米の敷地内に立っていた歴史的建造物の取り壊し許可がサンパウロ州高等裁判所から先月十二日に出たことを受け、数年前から主張していたジャパン・タワー建設実現に向け、「九割九分仕事は終わった」と怪気炎をあげた。
 昨年末に強い雨の影響で倒壊、その約一週間後に火事で焼け落ちた建造物はすでに取り壊されており、ブラジル側で天野氏の代理人を務める吉加江ネルソン氏によれば、これから解体証明書(Certidao de Demolicao)を取得する予定。設計図はすでに提出しているが、建設許可の目処は立っていないという。
 一審では、「屈辱的な負け方」(天野氏)としていたが、今回の二審で判決はひっくり返った形となり、建設に向け、大きな懸念材料がなくなった。
 しかし、コロニアのために―、としていた天野構想、「日系人は水場に連れていっても水を飲まない」と、何故かブラジル政府に対するものへと方向転換したようだ。「そうすれば、日系人も含めたものになる」との詭弁も。 
 一方、天野氏は三月二十日付けで麻生太郎外務大臣に、「外務省が領事館用地としてこの土地を利用して頂けるならば無条件で提供したく考えております」との文章を送っており、少々支離滅裂な面も見せている。今回の来伯で聖総領事館には、「連絡するつもりもなかった」と一言。
 十八日に帰国した天野氏は八月初旬に再度の来伯を予定しており、「そのときには、全てが決まってますから」といつもながらの自信を見せた。

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