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芸能祭の感激再び=「響ファミリー」老ク連公演=育ててもらった恩返し掲げて=大衆演劇の魅力たっぷり=観衆、迫真の演技に酔う

2007年6月29日付け

 「昔お世話になった、おじいちゃん、おばあちゃんに恩返しを」――。来伯中の大衆劇団「響ファミリー」(響彬斗団長)が、二十七日、恩返し公演を老ク連センターで行った。約百五十人近い人たちが詰め掛け、サロン入り口まで人があふれた。〃舞台〃は、役者にとって命ともなる照明が一切ない同センター。一座は、十四の演目を二時間にわたって披露、踊りや歌の巧みさに加え、老ク連公演でのみ上演された「無言劇」で、迫真の演技力を見せつけた。笑いあり、涙ありの内容に、会場は拍手喝采で、大いに盛り上がった。来年の百周年祭に合わせ、「響ファミリー」の再来伯と、巡回公演が決まっている。
 「本当、吸い込まれるような感じで、ここにいれることだけでうれしい」。コロニア芸能祭での公演を含め、三回目の来場だという石元佳子さん(66)は、目を輝かせて感動を話す。老ク連には十一時の開演を前に、九時過ぎから人が集まりだし、サロンを埋めた。ほとんどがコロニア芸能祭での舞台をすでに見ている。
 老ク連での公演は、彬斗さんの女形に始まり、観衆の目は、そのなめらかな動きに釘付け。手も届きそうな身近なところでの優雅な舞いに、見るほうも真剣そのものだ。一座の一真さん、悠嘉さんを加え、鮮やかな彩りの着物姿で三人が舞えば、観衆の顔も自然とほころび、「まぶたの母」を熱唱すれば、涙に目をうるませた。
 一座は、男形、ひょっとこ、福笑いへと次々と姿を変え、合間のトークでも会場を笑いで沸かせていた。
 老ク連での公演の目玉は無言劇。「言葉のわからない人にも楽しんでもらいたいから」と制作された響ファミリーのオリジナルで、役者の感情を、顔の表情と動きで見事に表現。その演技力の高さに、来場者らは身体を前に乗り出して、一挙一動を見守った。
 公演は、途中、親族の佐藤家、松井家の子供らによる「白虎隊」をはさみ、オリジナル曲「つちのこサンバ」でフィナーレ。手を合わせて拝む人や、感激に涙する人の姿が見られた。
 「胸がいっぱいです」と平田福子さん(80)。板井トシエさん(72)は「夢のよう」と感想を話し、香山和栄さん(76)は「家族の絆を感じました」と、彬斗さんのサインをもらって満足そうに帰った。
 彬斗さんは「自分も楽しかったし、楽しんでもらえて本当によかった」。コロニア芸能祭の公演でも大講堂が溢れ返ったことから、「頑張らなきゃ」と心新たにしたと話し、「見て、音楽を聴いて楽しんで、ふれたら伝わるかなと思って。来年は、ブラジル人でも、日本文化に対して変な壁を作らずにスムーズに入ってもらえるように、より広く活動をしていきたい」と、抱負を語った。

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