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浜松レストラン店主強殺事件――ミナスで弁護側証人尋問=拘置所内で暴行と被告訴え

2007年7月4日付け

 【ベロ・オリゾンテ発】二〇〇五年十一月二十一日に静岡県浜松市で起きた日本人レストラン店主強殺事件の弁護側証人尋問が三日午後一時から、ミナス・ジェライス州都ベロ・オリゾンテ市のラフィエッチ裁判所で行われた。
 証人尋問には、ミナス州市警の科学捜査専門家の二人が呼ばれた。弁護士は、主に静岡県警が作成した捜査書類が国内の基準と比較し、日本から送られた証拠書類で犯人を確定できるのか、という質問に終始した。
 一人目、ジョセ・フランシスコ・デ・ソウザ氏は指紋検証の専門家で、「捜査書類には通常警察が基準としてもちいる五本指の資料が欠けている。これでは現場で採取された指紋と照らし合わせて同一人物かどうか分からない」などと語った。
 二人目、フェルナンド・アントニオ・ゴメス・アラウージョ氏は科学捜査研究所で働いており、捜査書類の写真などから「被告が店を最後にでた人物かどうかはこれだけではなんともいえない。被害者の爪に犯人の生体に一部が残っているのでは。そのDNA検査をやってもよかったのでは」と語った。
 ウンベルト・ジョゼ・ハジメ・アウバレンガ被告(35)も二人の軍警に警護され、後ろ手に手錠を付けた状態で出廷。その場で、弁護士に対してサンジョアキン・デ・ビッカス拘置所内で刑務官から暴行を受けたので早急になんらかの処置をしてほしいとの要請をした。
 ジョゼ・ダライ・ロッシャ裁判官は、拘置所に対してすぐに事実確認の申請をし、三日ほどでその報告書がくるので、それを待って正式な処置を講ずるとした。また証人尋問に同席したマルセロ・マタル・ジニズ検察官も検察庁として裁判後に詳細を被告から聞いた。
 この事件は〇五年十一月に、静岡県浜松市でレストランを経営していた三上要さん(当時57)が殺害されて現金約四万円が奪われたもの。事件直後、同容疑者はブラジルに帰伯し、国際指名手配されていた。ミナス州のリオ・カスカ市に戻っていたが、二月十六日夕方、検察局が逮捕状をとり、身柄を拘束していた。
 日本からの国外犯処罰としては、二月初めに行われた桧垣ミウトン被告の裁判に続いて二件目。

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