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好待遇を用意=向上心求める=単純労働〃卒業〃しよう=「デカセギは技術身につけよ」――佐久商工会議所から情報収集に=ねらいは大学卒業者

2007年7月20日付け

 「今、三十万人もいる。そろそろ単純労働から卒業するころじゃないだろうか」。長野県佐久市の佐久商工会議所から、副会頭の坂川卓志さんと、在日歴十七年になる足立幸紀さん(二世)が来伯し、「商工会議所を通じて、就労者が技術を身につけることのできる制度を作りたい」と、新たなデカセギのあり方を模索している。目指すのは「中小企業に、いい人材を」。デカセギらの将来を憂うとともに、日系人の存在をうまく活かして、双方に益するデカゼギの形態を築きたいと情報収集に勤しんでいる。
 長野県佐久市は、東は浅間山、南は八ヶ岳に囲まれた高原都市で、人口は約十万人。新たな商業集積地の形成も進みつつあり、農業の面では、高速交通網の整備から生鮮農産物の総合供給地としての役割を果たしている。
 同地の外国人登録人口(佐久市統計書より)は、千三百九十二人で年々増えつつあるが、約四分の一は中国人(三百五十四人)、タイ人(三百二十八人)が占め、ブラジル国籍者は、百七十七人。五年前(二百六十一人)から減少傾向にある。坂川さんによれば、同市で、日系ブラジル人が雇われ始めたのは、十八年ほど前からだ。
 坂川さんは「今の状態では互いに不幸ではないか」。日本でのデカセギ問題を例にあげ、「日本でデカセギをしてから彼らはどうしてる? 単純労働をして疲れて家に帰り、言葉を覚えることさえない」と現状を嘆いた。
 坂川さんが目指すのは、会議所が仲介をして、ブラジル人をよりよい待遇で、技術者として佐久市に迎えること。「受け皿もしっかりさせて飛行機代だって肩代わりできるかもしれないし、五、六年、学校で習った自分の技術を磨くつもりで来てもらいたい。ブラジルに戻っても、デカセギ経験をキャリアとして働いていけるような形になればいい」。
 ただ、技術者として好待遇を用意するからには、採用条件にも「それなりのレベルを要求したい」。電子や機械工学を専攻し、大卒であること、そして、技術者として働けるだけの語学力が保障されること。
 今回の来伯目的を「ブラジルの、エンジニア分野での調査」と話し、いかにいい人材を見つけ出すか、手探りでさがしている、という。
 「デカセギは何年働いても同じレベル。向上心がなくては駄目だ。エンジニアの技術は世界共通。ブラジルで学び、日本で経験を積む。単純労働のレベルはもうそろそろ卒業するころではないか」。
 坂川さんは来伯中に、日本でも放送されているIPCの取材や、田中信ブラジル日本商工会議所会頭との懇談などを予定、今月末に帰国する。

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