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州政府日本文化教育プログラム=「VIVA JAPAO」の現場を行く~サン・マテウス編~=JICA派遣教師らも訪問=「日本に帰って伝えたい」=州内316校が参加

2007年8月8日付け

 日系生徒、教師のいない学校でも「ニッポン」学ぶ――。サンパウロ州教育局の日本文化教育プログラム「VIVA・JAPAO」への参加申請は、州内九十学区のうち、実に八十一学区三百十六校(プロジェクト数は三百四十七)が行なっており、約二十三万人の生徒が日本文化に触れる予定だ。このたび、多くの在日ブラジル人が住む中部地方から、教師八人が国際協力機構(JICA)中部主催の開発教育指導者研修「教師海外研修プログラム」を利用し、VIVA・JAPAO実施校を視察訪問した。「これほど日本文化が受け入れられているとは。在日子弟の背景も含め、教育の場で伝えていきたい」と教師らは、驚きをもって話した。
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 今回訪れたのは、サンパウロ市東部サン・マテウス区にある「マエストロ・ブレンノ・ロッシ校」(全校生徒二千五百人)。
 校内視察前に行なった同校の教師らとの懇親会でマリア・テレーザ校長は、歓迎の意を表し、同プロジェクトを三月から始めたこと、七歳から七十歳までの全校生徒が参加していることなどを説明。
 「九十九%がアフリカ系の生徒で教師にも日系はいないが、日本文化を学ぶ機会を嬉しく思っている」と話した。同校は七月に七夕祭りを催し、多くの来場者で賑わったという。
 JICA中部の今井成寿・連携促進チーム副主任が静岡、愛知など中部地方に多くの日系ブラジル人が在住していることなどを説明、参加教師らがそれぞれ挨拶した。
 訪問当日は各生徒らがそれぞれの研究テーマを発表する〃ニッポン文化祭〃。教師らは、テーマ別に分けられた各教室を訪問、生徒らに説明を受けていた。
 色とりどりの折り紙で飾られた教室でアマンダさん(12)とサブリナさん(同)は、「折り方は一週間で覚えた。アヒルが得意」と笑顔を見せた。
 飾り付けなどの指導にあたったレジーナ・ヴァッジ教諭は、「三カ月かけて準備した。生徒たちも非常に熱心に取り組んだ」と感心の高さを強調した。
 紙漉き、ロクロを使っての陶器作り、教室の一角を茶室に見立て、茶の湯の世界を表現するなど、生徒それぞれが感心のある日本文化理解に取り組んでいた。
 テレーザ校長によれば、学級崩壊などもあったが、今回を機に生徒自身による校内美化運動を展開、汚れていた校庭に大きな日の丸を描くなど校規改善の点でも「VIVA・JAPAO」の効果を挙げた。
 視察後、ステージでは、定時制の生徒による合唱、ゲイシャ、忍者が登場する演劇、柔道やカポエイラの演舞で両国の格闘技の融合を強調。
 箸のカンザシに白のシャツ、赤い髪飾りで日の丸を表現した衣装でサンバを踊った女子生徒らは、日伯両国旗を模した幕をステージ前に広げた。生徒たちによる「ヴィヴァ!バンザイ!」の声が響き渡った。
 ステージに立った八人の教師らは、日ポ両語で「ふるさと」を合唱、会場からは万雷の拍手が送られ、アンコールに応え、再度歌う場面もあった。
 全校生徒の五%がブラジル国籍の生徒だという長野県伊那市の箕輪中部小学校の北原正治教諭は、「日系じゃない生徒たちが目を輝かせて、日本文化を学ぶため積極的に取り組んでいることに驚いた」と感激の面持ちを見せた。
 三重県立南紀高校の賀登さおり養護教諭は、「今回のブラジル訪問の経験を通して知った在日ブラジル人子弟の背景を日本の子供たち、同僚に伝えていきたい」と取材に答えた。

 

州政府日本文化教育プログラム「VIVA・JAPAO」の現場をゆく=連載《上》=オザスコ=〝ニッポン〟学ぶ子供たち=生徒自身がテーマ選んで=原爆、歌やYOSAKOIも

州政府日本文化教育プログラム「VIVA・JAPAO」の現場をゆく=連載《下》=100周年で優秀校を表彰=交流基金も学生招待を検討

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