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コラム 樹海

2007年8月15日付け

 儀式のあいさつは短いほうがいい、あいさつをする人の数も少ないほうがいい――言い古されていて、しかも大方の支持を得ているのに、わがコロニアでは一向に改まらない。相変わらず長いあいさつは多いし、人の数も多い。短く、少なくと常々言っている人も、自身が式を仕切る立場になると、実行ができないようである。悪しき因習というべきか▼日本の日本人は、時間を守り、儀式もできるだけ形式を廃して、実質的に簡素に、と考えており、おおむねそのようにしている。だから、ブラジルに来て、長ったらしいあいさつと、次から次へ出て来てしゃべる人たちに出会うとうんざりするらしい。日本人だけでない。式場にいる、式を仕切る人以外はみんな「早く終わってくれないかなぁ」と無言のパシエンシアを続けている▼子供主体の、子供のための競技大会などでも、長時間の開会式がある。来賓といわれる人たちが登場して、主役の子供たちのことは、忘れ去ったかのようによくしゃべる。その多くは、内容に乏しく、空虚だ▼来賓をたくさん迎えて、あいさつしてもらうのは、主催者の大人(おとな)たちだけの関心事であろう。来賓あいさつをたくさん設けるのは、主催者が来賓たちに義理があるか、媚びているのかもしれない。あるいはなんらかの受益を期待しているからか▼子供たちは競技を始める前にくたびれてしまって、実力を発揮できない場合もあろう。競技大会以外の儀式でも、よくよく留意し簡素にしたい。(神)

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