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「あなたの息子が免許証なしで=高級車にぶっつけた」=示談金振り込め、と父親に電話

2007年8月18日付け

 ジャバクアラ区の中野文雄さん宅に、十五日正午ごろ、息子の上司と名乗る、明らかに日系人とわかる男から、電話があった。「振り込めサギのようだった。私はひっかからなかったが、みなさん、注意を」と十六日朝、本社で語った。
 電話の男が言った。「あなたの息子さんと別々の車で、うちのミナス工場に向かう途中、フェルナンジアス街道で、息子さんがBMW車にぶつけた。息子さんは、きょう運転免許証を持っておらず、制限速度を越えて走っていた。息子さんは、不利だ。今ここにいない。私が代わりに掛け合って、二万五千ドルの示談金で話をつけた。すぐ用意してほしい」。
 中野さんが「そんな大金、あるはずがない」、男は「都合がつくだけでいい」と下げてきた。中野さんは、おかしいと思い、そこで電話を切った。
 二分後、また電話があった。「息子さんの会社のエンプレガードだ。ぶつけた車はメルセーデスだ。急いでいる。五千ドルを送るようにしてくれ」と男の声だった。中野さんは、交通事故のことを警察にきいてみる、と応えた。電話はまたそこで切れた。
 最初の日系男は、中野さんの名前、住所、電話番号、息子の名前、会社の工場がミナスにあること、かなりひんぱんに出張があること、上司が日系人であることなどすべて知っていた。告げた電話番号は7627・0906。中野さんはあとで繋いでみたが、実在しない電話だった。
 男たちから電話があった後、直接繋がらなかった息子が、同日夜、帰宅した。もちろん事故は起こしておらず、電話をかけた男たちについても心当たりがない、と言った。
 中野さんは「私たちのことはよく知っていたが、電話で言っていることは、途方もないという感じだった。みなさん、こんな電話があったら、落ち着いて応対を」と助言した。

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