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コラム 樹海

2007年8月23日付け

 日本の新聞は伝統的に宰相が嫌いらしい。これは明治からのことであり、戦後では「白タビ宰相」の「ワンマン首相」と痛烈に批判された吉田茂氏がいる。ところが政界を勇退してからは爆発的な人気が起こり昭和天皇からの鳩杖を愛用し、紋付を着て仙台平かの袴で活躍した。民間人としては戦後初の国葬だったし、日本の独立に果した功績は大きい▼今、話題の麻生太郎外務大臣は、吉田首相の娘・和子の長男であり、次期政権を担うとされる実力派である。近く実施される党人事では幹事長に内定しており、これからどう党を導くかが問われるが、生まれも育ちもいいせいか―ちょっと乱暴発言もあり、これを難点とする向きもいる。このために政界の中心に腰を据えるのが遅れたの評があるけれども、ご本人はまったく気にするような素振りもないそうだ▼ここで少し横道に逸れるが、戦後のブラジル移住の道を開いたのは吉田茂だった。あの頃の日本は経済的にも苦しい。そんな折に訪米し「日本人移民のために」と1500万ドルの借款を取り付けたのが吉田首相なのである。政界を退いてからブラジルを訪問しているが、当時―取材した記者に聞くと真っ赤な絨毯を敷いて出迎えたし、水は仏のエビアンしか飲まないとかで総領事館の現採組が初めて飛行機に乗りリオ大使館まで飛んだ▼と、移民とは縁が深いのだが、麻生外相も若い頃にサンパウロに来ている。何でも親戚筋がプルデンテかにいて牧畜に興味があったらしいのだが、その麻生外相は日伯議員連盟の会長でもある。移民100周年祭には是非ともご出席を―である。    (遯)

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