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自由の匙加減

 12日、サンパウロ市南部の州立校で12歳の女子生徒が同校の男子生徒に輪姦されるという戦慄の事件が起きた。事件が起きたのは授業中で、しかも場所は校内のトイレだった。子を持つ親は恐れ慄いたに違いない▼こうした事件は日本の学校ではまず起こり得ない。だから学校の管理体制次第で避けられたはずだと思うと、余計に無念でならない。彼らのような生徒が日本にいないとは言わないが、仮にいたとしても、その企てを決行できない体制が敷かれている。そこに大きな違いがある▼日本では休み時間終了後、生徒が明確な理由なく教室に戻っていないのは非常事態である。授業に遅刻すれば、皆に謝って入室する羽目になる。戻って来なければ教師は生徒に自習させ、校内を探し回るだろう。それでも見つからなければ、手の空いた教師総動員での捜索が始まる。トイレは一番最初に探される場所だ。それが不意の事件を未然に防ぐ体制だろう▼青少年は概して不安定で危ういものだ。心と体の変化に伴う激情や恐れを抱えており、大人なら踏みとどまる所でも勢いで進んでしまう。周囲の大人が厳格なルールを敷き行動を制限し、壁として立ちはだかることは、彼らにとっては一種の守りになる。「こんちくしょう」と悪態をつかれても、それによって悪を犯さずにすむのである▼今後この学校がどのような改善策を示すのか知らないが、学校側の怠慢は責められてしかるべき。それによって、他の管理の甘い学校が身引き締めることになればと思う。当地では子どもの成熟が早く、与えられる自由度も高いけれど、そういう視点でもって自由の匙加減をしてもらいたい。(阿)

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