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コラム 樹海

2007年8月29日付け

 日本の稲作が地球温暖化の影響を受けているという。北海道新聞によれば、影響が今のところないのは北海道、東北地方だけ。九州では四年連続不作とか。穂が出て玄米になるまでの登熟期に高温がたたる。実が入らない未熟粒などができ、品質低下が大きいといわれている▼日本は減反がいわれ、コメが多くは要らなくなったのではなかったか、の議論はともかく、温暖化は、ほとんどの農作物に悪影響をおよぼす。日本の場合、果物は蜜柑、野菜はトマト、ピーマンなどにすでに栽培上の問題が発生しているようだ。こうした弊害は、それこそ地球規模で生じているとみなければなるまい▼科学者たちは、長年月をかけて、作物の品種改良をやってきた。コメは、暑い地域の植物だと聞かされてきた。弛まぬ改良の努力によって、寒冷地でもできるようになった。それが今、努力が無になるみたいに、北海道も温暖化に脅かされている。農業にばかりでなく、影響は漁業にも及んでいる。魚の獲れる所に変化が見える▼温暖化は、人間社会の〃進歩〃がもたらしたというのは、今や定説である。自分で自分の首を締めるというが、正しくこれだ。個々人は、そのことがぴんとこない。むしろ、オレのせいじゃない、と思う。だが、今後、農業や漁業への悪影響をはじめとして、日常生活を脅かす事態が次々に出てくるに違いない▼ブラジルの場合は、カフェの生産地が、降霜を避けて南上した。温暖化は今どう影響しているだろうか。(神)

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