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ニッケイ新聞 2007年9月15日付け

 サンパウロ蘭協会の初代会長、井上二夫さんは現在、横浜市に在住。前もって、旅費滞在費を同協会負担で招待したい旨を伝えていたが、約九十歳で体調などの問題があり実現しなかった。井上氏は、代わりに「本来ならば、真っ先に馳せ参じて皆々様とご一緒にお喜び申し上げたいところ」と書面で祝福の言葉を送った。最初の十二年間を務めた会長だけに、会の骨格を作ったも同然。その志は今も脈々と受け継がれているようだ。
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 十二日晩、援協の運営する日伯友好病院に、今はときめく有名人が突然入院した。カトリック界のアイドル的存在のパードレ・マルセロだ。「気分が悪くなったので入院して検査したら、心筋梗塞の前段階と診断され、ほっとした」と翌日の自分のラジオ番組で告白した。こんな有名人が入院したとあれば、「私も同じ機械で検査を」とやってくる信者もいるかも。
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 老ク連に近いタグア街でスーコ・デ・ラランジャを売っている日系二世の露天商がいる。小コップが五十センタボ、大コップが一レアルと超格安。朝から晩まで売って、一日おきに朝三時にメルカドにラランジャのサッコを買いにいくという。最近始めたそうで、「前の持ち主がこの値段でやっていたから、すぐ上げるのもちょっとね」とはにかむ。値上げの激しい昨今、生真面目な日系らしさを感じた。

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