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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2007年9月25日付け

 北朝鮮の権力継承は別格官幣社のようなもので「金王朝」の呼び名もあるし、こんな故・金日成と正日親子による権力の引継ぎは専制国家に特有なものだが、米国のブッシュ政権のように親と子で大統領になった例もある。確か―アメリカでは以前にも同じケースがあるけれども、これはきちんとした選挙によるものであり、専制とはまったく異なる▼福田康夫氏が自民党総裁に選ばれたことで明日の25には福田内閣が誕生する。福田氏の実父は赳夫氏であり、日本では初めての親と子の首相が誕生することになる。これまでに岸信介氏と佐藤栄作氏の兄弟総理大臣があったけれども、親子首相が生まれたのはちょっとした話題になるだろう。しかも、赳夫氏も康夫氏も総理になるのは71歳である▼安倍首相の突発的な辞意表明で急遽―総裁選に出馬を表明した福田康夫氏は、自民党の8派閥からの支持を受けたのだから最初から優勢だった。安定路線と調整型が党内人気になったのだろうが、改憲論議や集団的自衛権の行使に慎重でもあり―いささか固すぎる気もする。勿論―靖国神社の参拝はしない。北朝鮮外交でも安倍政権とは異なる対話路線のようだし、かなり違った外交になるかもしれぬ▼敗れたとはいえ麻生太郎氏の国民的な人気は凄い。若い頃に西アフリカでダイヤを掘り射撃でモントリオール五輪出場という「遊び」がいい。こんな庶民的な気楽さが主婦や小父さん小母さんに好かれ総裁選での善戦に繋がったと見たい。今、政界は若返り傾向が強いけれども、麻生氏はまだまだ若い。政策には強いし将来の活躍に期待したい。  (遯)

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