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移民史料館=大井セリア館長が辞意=史料館会議で明らかに

ニッケイ新聞 2007年10月23日付け

 【第二社会面関連】移民史料館館長を辞任します――。今月十九、二十日に開かれた第三回史料館会議の冒頭のあいさつで、日本移民史料館の大井セリア館長はこう述べ、同職を辞任する意向を明らかにした。
 大井館長はニッケイ新聞の電話取材に対し二十三日、辞任までの経緯について、同館運営委員会の委員から「史料館の経営面に関わるよう求められたのが要因」と説明。その要請に対し「お金のことはわかりませんから無理です」と答えたという。
 この点に関して同館運営委員会の栗原猛委員長は、委員長として就任間もなく、「委員といっしょにセリアさんに対して経営面の向上を踏まえて館全体の運営を把握するよう求めたのは事実」と語る。
 同委員長の説明によれば、大井館長の職責向上として、経営面のほかに人事管理、各方面からの問い合わせや来客対応、サンパウロ州教育局が実施している教育プロジェクト「ビバ・ジャポン」への充実した対応などを求めたという。それに対し同館長は「私にはそれほどまでの能力がありませんので無理です」と返答したという。
 大井館長によればその際、「運営委員の方は私に『明日から館長の名前を使わないようにしてください』と言った」という。その要請に対し同館長は「はい」と了承、十九日の会議の場を利用して自らの辞任を明らかにした。
 「彼女はとても才能のある方ですが、お金のことはわからないとのことでしたので」と関根隆範運営委員は今回の件を説明する。大井館長の今後について栗原委員長は「セリアさんは館長の職を辞任することは明らかにしたが、彼女が史料館から離れるかどうかはわからない」とコメントしている。
 この点に関して大井館長に質問すると、「来年の記念プロジェクトもあるので、今後はどういうカルゴ(役職)になって史料館に関わるかは私自身もよくわかりません。ですが言われたことには従うつもりです」と語った。
 なお栗原委員長は「現在代わりの館長を探している最中」と話している。

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