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コクエラ=ふるさと祭りに2万人=年に一度集まる楽しみ

ニッケイ新聞 2007年11月14日付け

 コクエラ日本人会(コクエラ農村協会、田島弘会長)主催の「第十七回ふるさと祭り」が十、十一日の両日、モジ・ダス・クルーゼス市コクエラ区にある同会会館で行われた。二日間で約二万人(主催者発表)が来場し、賑わった。
 モジ市内最古の日系植民地コクエラでは前身の「桃祭り」が二十回ほど行われていたが、桃が収穫できなくなったので、十七年前に「ふるさと祭り」に変更。この名前には同地を離れた子弟が年に一度ぐらいは故郷に帰ってきてほしいとの意味も込められている。
 十日午前十時から行われた開会式には、阿部順二モジ市市長、後藤猛在聖領事、加藤恵久県連副会長らがお祝いのために駆けつけた。関係者一同でテープカットが行われ、同祭りの成功を祈った。
 今年のテーマは「夢」。日本からブラジルへと来てお金を稼いで母国日本へ帰り、祖国に錦を飾ることを夢見た移民の人たちの気持ちを、少しでも汲むことを考えて決定した。
 同館内の体育館で行われていた農産物展示場に多くの人が足を運び、会場中に並べられていた農産物に見入る人が多く見られた。また、近くで行われていた農産物の即売展も多くの人で賑わいを見せた。
 会場中には婦人部が用意した料理をはじめ、約八十のバラッカが立ち並び、日本の祭りのような輪投げ、射的などの屋台や、日本食を中心とした食事、その他には雑貨品のバザリスタたちが店を構えた。
 舞台上ではビリチバ・ミリンのYOSAKOIソーランや福島県人会の太鼓、カラオケ、盆踊りなどが行われ、観客は一緒になって会場を盛り上げた。
 三年ほど前から毎年訪れているという山上雄司さん(60、岡山県出身)は農産物の展示を見ながら、「農作物を見ると、日本人や日系人が同地に根付いていることや、底力を感じる」と嬉しそうな表情で語った。
 田島会長は「毎年行うことに意味がある。この祭りには町へ出て行った人たちも戻ってきますから」と喜びながら話した。
 十日の最後には花火が打ち上げられ、会場に足を運んだ観客は足を止めて、花火に釘付けになった。

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