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各地に広がる速成塾講師=日本語センター=5回目終え、修了者79人に

ニッケイ新聞 2008年2月2日付け

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)が力を注いでいるプロジェクトのひとつ「日本語速成塾」。同プロジェクトは、ブラジル内で百二十人の教師を育成し、日本就労希望者に対して最低限の日本語と日本の習慣を教え、訪日してもらうことを目標としている。五回目となる講師研修会が一月二十五日から三十日までの六日間、同センターで行われた。
 今回は、サンパウロ市以外の日本語教師を対象に行なわれ、サンジョゼ・ド・リオ・プレット、アチバイア、ジアデーマ、カンピーナス、リンス、ほかミナス、パラー州などから十二人が参加し、講師は七人が務めた。
 二十五日の開会式で、谷理事長は「短い時間だけど、優秀な教えを勉強してください」と受講者を激励。講師を代表して斎藤市美講師は「我々講師もできるだけ努力しますので、みんなで良い成果をあげましょう」とあいさつした。
 日本語速成塾は日本語ができない人を対象にし、六十時間で最低限の日本語を修得することを目標にしている。そのため、通常の日本語教育とは違うことに受講者が困惑する場面も見られた。
 最終日には、第一回講師研修の参加者で、現在サントアマーロで三人目の生徒に教える猪股登美子さんが講師として招かれ、速成塾の様子や苦労などの体験談を受講者に話し、現状を紹介した。
 閉校式では、参加者全員に対して修了証が手渡された。参加者たちは六日間の疲れも見せず、達成感に喜びを噛みしめていた。研修修了者は今回で七十九人に達した。
 最も遠方のパラー州トメアスー移住地から参加した高松シズさん(63、長崎)は「センターの方から声がかかって、良い機会だから受講しました。ポ語ができないから厳しいけど、デカセギへ行く人たちに少しずつ声を掛けていきたい」と期待を膨らまして話した。

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