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守勢一方、最後の4分に逆転!=ラグビーU20で日本代表優勝=伯人も「ニッポン」コール

胴上げで優勝を祝う日本代表

 ラグビーの20歳以下の国際大会「ワールドラグビーU20トロフィー(以下U20トロフィー)」の日本とポルトガルによる優勝決定戦が21日、聖州サンジョゼ・ドス・カンポス市のマルチンス・ペレイラ競技場で行われ、日本は劇的な逆転(35―34)で激戦を制し、優勝を飾った。

 試合は終始ポルトガル優勢の展開。日本は我慢の時間が続いた。応援に来ていた西谷研三さん(82、兵庫県)は、勝利を祝いつつも「ひやひやした。もっとしっかりしてくれなきゃ」と胸をなでおろした。
 試合は日本の攻勢で始まった。序盤から敵陣深くでプレーし、前半7分に先制トライ。直後9分にも山口楓斗選手(同志社大)が敵の守備を抜け出し一気に敵陣深くに走り抜け、パスをもらったハラトア・ヴァイレア選手(日体大)がトライを奪取。福山竜斗選手(近畿大)もコンバージョンゴールを枠に捉え、一挙14得点の猛攻を見せた。客席からは「このまま勝てそう」と楽観視する声が上がった。
 しかし、直後にトライを決められると形勢は逆転。日本は自陣に追い詰められ、防戦一方に。
 30人程のサポーターが「ジャパン! 前へ!」と声援を送るも、32、40分には河瀬諒介選手(早稲田大)、福山選手が反則によるイエローカードで10分間の一時退場。数的有利のポルトガルはさらに2トライとコンバージョンゴールと追加点を重ね、14―21の相手リードで前半を終えた。
 駐在員で、山口選手らと同学のラグビー部出身の大西英文さん(36、大阪府)は「今日の日本はミスが多い。それを相手がうまく得点につなげている。スクラムは優勢だし、ミスなくボールを保持できれば」と前半を振り返った。「他国より体も小さく、前戦から3日しか休みがない中の4戦目。疲労もあるのかも」と心配する様子。
 同じく駐在員の居迫雄大さん(30、愛知県)は、ポルトガルについて「技術はそれほど高くないが個々が強い。日本は後手に回っている」と危機感を募らせた。
 後半もポルトガルの攻撃に耐える展開。50分に日本がトライを奪うが、すぐにポルトガルもトライをあげ、点差を縮められず終盤を迎えた。
 観客席から声援を送り続ける中、後半60分を過ぎ、日本は敵陣のゴールライン間際で決死の攻撃を繰り返し、66分、日本はトライとコンバージョンゴールで1点差に詰め寄った。試合の流れが変わると、直前のブラジル対香港戦から客席に残っていたブラジル人から、なぜか「ニッポン」コールが巻き起こった。
 69分にポルトガルが再びトライを決めるも、コンバージョンゴールを外し6点差。日本がトライとコンバージョンゴールを決めれば逆転できると、観客席の日本人、ブラジル人は一体となって「ニッポン」コールで選手を後押しした。
 終了も迫った76分、河瀬選手のトライと福山選手のコンバージョンゴールで日本は逆転。客席はこの日一番の興奮を見せた。試合終了までの3分、サポーターが緊張の面持ちで見守る中、80分を迎え、ボールが場外へ蹴り出され日本の勝利が決定すると、サポーターは歓喜に沸いた。

劇的勝利に沸く日本サポーター

 在聖日本国総領事館の楠彰首席領事は「勝って良かった。ブラジル人も応援してくれたのも嬉しかった」と周囲のサポーターと喜びを分かち合った。
 今大会は20歳以下の世界最高峰の大会「ワールドラグビーU20チャンピオンシップ(以下U20CS)」の下位大会にあたる。両大会は毎年開催され、U20CS最下位国とU20トロフィー優勝国が次回大会に交代する。日本は今大会で優勝したため、来年のU20CSへの復帰が決まった。


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 U20トロフィーの優勝決定戦で、日本の応援に来ていた西谷さんは、なんと1959年にブラジル初の日本人ラグビーチームを創設した中の一人。当時ブラジルのチームはなく「ブラジルも実力を伸ばしているようで嬉しい」とグラウンドを見つめながら昔を振り返った。今大会の日伯対決では日本が圧勝したが、ブラジルが強敵になる日が来るかも?!
     ◎
 日本では9月にラグビーW杯が開催される。今大会の選手はまだ若く、メンバーには入っていないが、近い将来日本を背負い、活躍するはず。ぜひこの優勝に乗って、W杯でも日本の躍進が見たいところ。

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