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日帰り介護サービス「シャローム」=新規利用者を募集中=ボランティアも募る

ニッケイ新聞 2012年10月16日付け

 「人生の旅路の一服休憩所を」—。サンパウロ市パライゾ区のサンパウロ福音教会内で、日系高齢者を対象とした日帰り介護をするデイ・サービス「シャローム」(福浦利明代表)が、珍しく新規利用者を募集している。火曜、木曜のいずれか一日で(各日空き3人)、利用料金は月40レアルと格安だ。「一旦入るとみんな喜んで定着するので、場所が空くのは初めて。見学、体験もできるので気軽にきてほしい」と福浦代表は呼びかけた。

 朝9時半に来所したら、一人ひとりの体調にあった食事や対応が出来るように、まず血圧・体温を測定する。午後2時半まで福笑いやビンゴ、輪投げなどゲームや工作をしたり、日本の童謡を歌ったりと、他の利用者と交流しながら楽しく過ごす。毎月一度はシニアダンスの指導者・中川クララさんも指導に訪れる。
 福浦さんが自信をもって勧めるのはボランティア手製の日本食だ。「10人が10人とも美味しいと言う自慢の料理」と太鼓判を押す。一食5レアルと値段も格安で嬉しい家庭の味が楽しめる。
 二世を中心とした40人のボランティアがほぼ一対一で個人に合ったケアを行なうが、その多くも60歳以上と高齢化している。そのため「子ども連れでもいいし、話相手になるだけでもいい。経験は問わないので、志ある人に是非きてもらいたい」とボランティアも募っている。
 また、同所では「高齢者を介護する人同士が、悩みを話し合える場を持つことが大事」と、家族に向けたセミナーも実施している。
 昨年7月から通所している馬場実子さん(82、東京)は、「黙って座っていても、皆さんの温かい心が伝わってきて、本当に気持が落ち着きます」と話し、片岡二四子さん(89、高知)も「ここに来始めて3回目くらいで、不眠症が治ってしまった。今は木曜日を待ちかねている」と施設の魅力を語った。
 このサービスは、同教会の宣教師だった小井沼眞樹子さんが、「家にこもりきって孤立しがちな高齢者に、安心して過ごせる場を与えたい。介護する家族には息抜きの機会を」と考え、福浦さんと共に2000年10月に開始した。当初は一日のみで利用者は2人だけだったが、徐々に増えて週2日に活動を拡大した。これまでに103人が施設を利用した。
 問い合わせは同所(11・3885・7665、5072・9951/作間さん)まで。

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