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渡邉ジェトロ所長が帰国=「過去最も盛り上がった時期」

ニッケイ新聞 2008年2月12日付け

 二年間のブラジル勤務を終えた渡邉裕司ジェトロ(日本貿易振興機構)サンパウロ事務所長(61、新潟)が七日、帰国に先立ち後任の佐々木光(こう)所長(53、岩手)と本紙を訪れた。
 九〇年から四年間同事務所に勤務した渡邉さんは二〇〇六年三月に所長として着任。六〇年代から七〇年代、ブラジルへ約五百社の日本企業が進出した時期の日伯経済と比べ、「過去の中で最も盛り上がった時期」とこの二年間を位置付けた。「非常に幸運だった」と興奮した様子で話し、「日伯の距離が縮まった時期」と充実した表情で話した。
 百周年が始まった時期に帰国することについては、「日系社会はしっかりしているから、問題ないでしょう」と心配のない様子を見せる。
 さらに、新しい通信サービスが始まったばかりのデジタルTVに関して「どういう情報が必要かを見極めて、これから正確に伝えて行きたい」と述べ、エタノールを巡る状況についても、「今すぐに始めるのではなく、バイオエタノールの現状の情報を日本に的確に教えたい」と語った。
 後任の佐々木所長はスペインで二度、ほかコスタリカで勤務した経験があり、今回が初めてのブラジル勤務。来伯は二回目になる。着任にあたり「資源高で、投資資金が伸びているこの時期に来られたので非常に幸運」と感想を表す。
 「ブラジルを知らないから先入観を持たずして見られる」と佐々木所長。「こちらで得た、労働市場の現状などの正確な情報を日本の中小企業に伝えたい」と意気込みを見せる。また「エタノールはすぐ対応できないので、少しでも蓄積しておいて、直ぐに情報を出せるようにしておきたい」とこれからの希望を述べた。
 さらに、ジェトロの百周年事業としてではないが、今年は「エネルギービジネス、ビジネス環境などについて大使館、領事館、商議所などと協力していきたい」と将来の日伯経済活性化に向けた抱負を語った。
 渡邉前所長は八日に離伯。帰国後は東京の本部で勤務する。

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